おおぞら高等学院

おおぞら高等学院（おおぞらこうとうがくいん）は、学校法人KTC学園が運営する、広域通信制高等学校の学習サポート施設です。本校は鹿児島県熊毛郡屋久島町平内にある私立広域通信制高校「屋久島おおぞら高等学校」であり、おおぞら高等学院は全国各地に設けられたキャンパスとして、生徒の学習や学校生活全般をサポートしています。現在、そのネットワークは全国に48ヶ所に及びます。

この学び舎は、その歴史の中で名称を変遷させてきました。設立当初から2018年3月までは「KTC中央高等学院」として運営され、その後2022年3月までは「KTCおおぞら高等学院」として知られていました。そして、2022年4月からは学校法人KTC学園への運営移管に伴い、現在の名称である「おおぞら高等学院」に改称されています。

沿革

学院の歩みは2002年に「KTC中央高等学院」として名古屋に初めてキャンパスが開校したことから始まりました。翌2003年には仙台、東京、浜松、大阪、広島など主要都市にキャンパスを拡大。その後も全国各地に展開を進め、順次キャンパス数を増やしました。2010年には海外初のキャンパスとしてバンクーバーにも開設しています。

大きな節目となったのは、2018年4月の「KTCおおぞら高等学院」への名称変更です。この時期以降も、各地へのキャンパス展開を継続しました。2022年4月には学校法人KTC学園への正式移管に伴い、「おおぞら高等学院」へと改称され、同時に西宮、海田ナビキャンパスが開校しました。近年では、2023年12月に川越キャンパスが地域福祉活動に関して川越市社会福祉協議会との連携協定を締結するなど、地域との連携も深めています。今後の計画としては、2025年に大分、富士キャンパスの開校が予定されています。

教育の特徴

おおぞら高等学院では、生徒一人ひとりの個性と成長を支援するための独自の教育理念に基づいています。教育の柱として、「セバンス教育」、「キャリア教育」、そして「実学教育」を重視しています。「セバンス」とは、ラテン語の「SENSUS（感覚）」と「VIVUS（生活）」を組み合わせた造語で、「生きる実感」を意味し、生徒が主体的に生きる力を育むことを目指しています。

学院が掲げるスローガンは、「高卒資格がゴールじゃない。なりたい大人になるための学校™。」そして「つながる場所、つなげる場所™。」です。これらの言葉は、学歴取得のみを目的とせず、生徒が社会で自立し、自己実現できるような「なりたい大人」になるための成長プロセス全体をサポートするという強い意思を表しています。

独自の教育システムも大きな特徴です。生徒自身が最も信頼できる教員を担任として選べる「マイコーチ」制度は、個別指導と信頼関係構築を重視しています。また、多様な体験活動を通して新しい自分を発見する機会を提供する「みらいの架け橋レッスン」（特別活動）や、社会の仕組みや様々な職業について学び、将来への視野を広げる「社会の架け橋プログラム」（特別授業）があります。さらに、海外での学びを希望する生徒のための「世界への架け橋プログラム」も用意されており、国際的な視野を育む機会も提供しています。

旧称の「KTC」は、「Knowledge（知識）」、「Training（訓練）」、「Collaboration（共同作業）」という三つの要素を重視した学びの姿勢を表す頭文字でした。

生徒は年に一度、本校である屋久島おおぞら高等学校にて、自然豊かな環境のもとで集中スクーリング（面接指導）に参加します。これは、通信制高校の卒業要件を満たすために必要な学びの機会です。

学科・コース

設置されている主な学科は、通学を基本とする「みらい学科」と、自宅での学習が中心となる「つながる学科」に分かれています。

みらい学科では、生徒の興味や将来の目標に応じた多岐にわたる専門コースが用意されています。
子ども・福祉コース：資格取得もサポート（「サービス介護ジュニア」、「シニアフードアドバイザー」、「認知症介助士」等）。
プログラミングコース
住環境デザインコース
マンガイラストコース
進学コース
基礎コース
* 個別指導コース

つながる学科の「ジブン探求コース」は、オンラインを活用した学びを深めるコースです。オンライン配信型の「屋久島つながるゼミ」で幅広いテーマに触れる機会があり、そこで興味を持った内容については、オンライン双方向型の「つながる実習オンライン」を通じて、より実践的かつ深く学ぶことができます。

学院内には生徒が主体的に活動できる団体や委員会も設けられていますが、その設置状況はキャンパスによって異なる場合があります。

運営体制と関連情報

おおぞら高等学院の運営は学校法人KTC学園が行っていますが、その実務的なサポートの多くは「KTCおおぞら株式会社」が担っています。この株式会社は中央出版株式会社の子会社であり、生徒募集活動全般（学校訪問、オープンキャンパス企画運営、個別相談対応、キャンパスサイト更新、広報活動など）のほか、担任サポート、授業管理、来賓対応、放課後スクールの運営など、学院運営に関わる幅広い業務を支援しています。

関連する主な事項としては、本校である屋久島おおぞら高等学校、運営母体である学校法人KTC学園、そして関連企業であるKTCホールディングスなどが挙げられます。学習においては、NHK高校講座やeラーニングシステムであるMoodleが活用されることもあります。教職員はコーチングの手法を取り入れ、担任制によって生徒をきめ細やかにサポートする体制を整えています。

学院の教育活動は、株式会社ロボット科学教育（Crefusグループ）をはじめ、株式会社探求学舎、プラスディーアンドシー合同会社、KTCホールディングス、TM Holdings Co. Ltdといった様々な分野の協力企業との連携によっても支えられています。

もう一度検索