おかえりなさいご主人様!!

『おかえりなさいご主人様!!』は、モバイルファクトリーが配信していた恋愛シミュレーションゲームです。2011年10月31日にGREEで配信が開始され、その後mobage、Android、iPhoneなど、様々なプラットフォームで展開されました。

2017年12月15日にサービスは終了しましたが、スマートノベル型恋愛シミュレーションゲームの先駆けとして、後続の作品に大きな影響を与えました。続編である「おかえりなさいご主人様!!R（リターンズ）」(2014年 11月20日配信開始、2017年サービス終了)をはじめ、「おかわりいかが?ご主人様!!」(2012年 11月15日配信開始、サービス終了)、「おまちしておりました!ご主人様!!」(2015年 4月23日配信開始、サービス終了)といった姉妹作も配信され、登場人物が他の作品にも登場するなど、スター・システム的な展開も行われていました。モバイルファクトリーの他の恋愛シミュレーションゲームにも、本作の舞台であるメイド喫茶が登場することが多く、世界観を共有していました。

本記事では、『おかえりなさいご主人様!!』とその続編である『おかえりなさいご主人様!!R（リターンズ）』(以下「R」と表記)について解説します。

ゲームシステム

ゲームの流れ

9人のヒロインの中から1人を選び、チケットを消費しながらストーリーを進めます。チケットは時間経過で回復し、毎日ログインすることで最大8枚まで所持できます。ログインしない日が続くと、最大所持数が減少します。

各ヒロインには、ストーリー中の出来事をヒロイン視点から描いた「裏話」が用意されています。裏話はGREEコインを使用することで解放できます。

おみくじ

1日に6回(Rでは50回)おみくじを引くことができ、チップを入手できます。集めたチップはガチャや、Rでは裏話の解放に使用します。

ガチャ

ポイントを消費してガチャを引くことができます。チケット回復アイテムや、特別なイラストなどを入手できます。

ストーリー

主人公がある日街を歩いていると、突然見知らぬ女性に声をかけられます。彼女と話しているうちに、メイド喫茶『黒猫』にたどり着き、成り行きからそこでアルバイトをすることになります。9人の美女に囲まれた、ドキドキのメイド喫茶生活が始まります。

登場人物

主人公

年齢は不明ですが、飲酒シーンがあることから20歳以上であることが示唆されています。オーナーに半ば騙される形で、「黒猫」で唯一の男性アルバイトとして働くことになります。

オーナー

メイド喫茶「黒猫」のオーナー。本名は望月美姫（もちづきみき）。容姿端麗で商才に長けており、マネジメント能力も高い女性です。仕事には非常に厳しく、主人公も度々叱られますが、人物観察眼に優れており、従業員の体調や心の変化に敏感です。

ヒロイン

山城雪希（やましろゆき）
高校2年生。16歳。水泳部に所属しており、全国大会でも上位を狙える実力を持っています。父親を早くに亡くし、母親を支えながら家事や弟妹の世話をこなす頑張り屋ですが、苦労を微塵も見せず、明るく元気な性格です。水泳部のない高校に進学しましたが、水泳を諦めきれず、幼馴染のライバルであるルナと共に水泳部を設立します。家計を助けるために水泳を諦めようと悩む中、ルナから父親の会社の実業団水泳部の入団テストを勧められ、その条件である「全国大会ベスト8」を目指して主人公と共に努力します。妹の海未（うみ）は、「おかえりなさい」では名前のみの登場でしたが、「R」で名前と容姿が明らかになります。
河合ルナ（かわいるな）
高校2年生。16歳。雪希と同じ水泳部に所属し、同じく全国大会を目指せる実力者です。明るい雪希とは対照的にクールな性格で、主人公に対しても隙を見せません。大企業の社長令嬢として厳しく育てられたため、男性との接触に慣れておらず、アルバイトの指導中に手が触れただけで赤面して怒り出すほどです。照れ屋で素直になれない性格ですが、主人公が無理をして倒れた際には、得意ではない料理を作って看病するなど、優しい一面も持ち合わせています。雪希とは小学生の頃からの親友でありライバルでもあり、雪希に勝てないことにコンプレックスを抱いています。
媛月アキラ（ひめづきアキラ）
大学3年生。22歳。主人公の幼馴染です。子供の頃はプロレス技をかけるなど、男の子のような乱暴な性格で、外見もボーイッシュだったため、主人公は男の子だと勘違いしていました。その後、女の子からラブレターをもらったことをきっかけに、女性らしくなろうと努力し、現在はポニーテールが似合うグラマラスな美女になりました(ラブレターの件については、姉妹作『おかわりいかが?ご主人様!!』の沢嶋樹編で誤解であったことが判明します)。そのため、主人公は最初アキラが幼馴染だと気づきませんでした。しかし、性格は相変わらず乱暴で、主人公にヘッドロックをかけたり、男言葉を使ったりします。同じく幼馴染の京子とは、何かと張り合っています。「黒猫」のオープン当初からのメンバーの一人です。
神宮京子（じんぐうきょうこ）
高校1年生。16歳。特徴的なツインテールがチャームポイントです。アキラと同様に主人公の幼馴染で、今でも主人公を「お兄ちゃん」と呼びます。子供の頃に主人公が引っ越したため交流が途絶え、その後アキラと知り合ったため、アキラと京子は「黒猫」で働くまでは面識がありませんでした。父親が蒸発し、母親も早くに亡くしたため、弟と二人暮らしで家計を支えるという辛い境遇にありながらも、それを微塵も感じさせない明るい性格です。主人公と子供の頃に交わした約束を大切にしていますが、主人公が覚えていないことにショックを受けます。弟の真司（しんじ）は、「R」で名前と容姿が明らかになります。
御影咲（みかげさき）
高校3年生。18歳。いつも和服を身につけている、黒髪の美しい女性です。実家は地域で知らない人のいない任侠団体「御影組」です。幼い頃に母親を亡くした一人娘として父親に溺愛されており、アルバイト中も常に黒服の男たちが店を監視しています。店に迷惑がかかっていると知ると、黒服たちを一喝する強さも持っています。純和風な環境で育ったため、洋風メニューを覚えるのに苦労しますが、オーナーはそれが個性的だと評価して採用を決定します。主人公に好意を抱きつつも、父親が決めた相手との結婚を決意しますが、主人公が御影組に乗り込み、父親を説得します。「R」では、父親と黒服の容姿が明らかになります。
貴崎日和（きざきひより）
大学2年生。20歳。主人公の同級生です。趣味は読書。三つ編みと眼鏡が特徴ですが、眼鏡を外すと見違えるように可愛らしくなります。ただし、極度の近視で、主人公との最初の出会いも商店街での衝突でした。主人公は長い間、その女の子が日和とは気づかずに片思いをしていましたが、さくらの機転によって、その女の子が日和だと知ります。「R」では、大学のゼミで「白猫」で働く玉森まどかと同級生であることが判明します。弟の拓也（たくや）は、「おかえりなさい」の咲編に登場しますが、名前のみで台詞はありませんでした。「R」のアキラ編で容姿が明らかになります。
真宮さくら（まみやさくら）
22歳。男性をからかう小悪魔的な性格で、主人公もいつも誘惑に悩まされています。しかし、その性格は複雑な家庭環境から生まれた男性への憎しみの裏返しでした。元彼に執拗につきまとわれますが、主人公が身を挺して守ります。アキラや京子ほどではないものの、さくらと日和の間にも主人公を巡る感情の交錯がありました。「黒猫」のオープン当初からのメンバーの一人です。
サラ・アルテミス
20歳。とある王国の王女ですが、身分を隠して日本に滞在しています。道に迷っていたところを日和とオーナーに助けられ、「黒猫」と縁を持ちます。主人公には初対面から抱きつくなど、奔放な性格です。互いに惹かれ合いながらも、王女という立場から日本にいられないことを悩み、主人公もサラの幸せが何なのか分からずに苦悩します。執事のラシードが常に付き添っており、「R」では容姿が明らかになります。妹のルージュもおり、同様に容姿が明らかになっています。
* 國見カノン（くにみカノン）
24歳。「黒猫」の店長。美貌と才覚を兼ね備えた女性で、店の切り盛りを完璧にこなします。主人公に優しく仕事を教え、徐々に互いの距離が近づきますが、過去のトラウマから恋愛には臆病になっています。オーナーとは「黒猫」の開店前から知り合いであり、「R」でカフェ経営を協力して始めたことが明らかになります。

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