おくどはん

『おくどはん』と続編『続・おくどはん』

『おくどはん』は、1977年から1978年にかけて放送されたテレビドラマで、朝日放送によって制作されました。全26回にわたって放送され、続編となる『続・おくどはん』は1979年に全27回放送されました。両作品は毎週金曜日の21時から21時54分までの時間帯に放送され、多くの視聴者を魅了しました。

概要とストーリー

このドラマは、花登筺の小説『京紐』が原作で、舞台は創業362年を誇る京都の老舗組み紐問屋「都堂」です。物語は、若主人の西条守を中心に展開されますが、彼には桂という店の実力者がいて、守の結婚を妨害しようとするため、なかなか嫁が来ることがありません。

ある日、都堂の女主人あやが、京都を訪れていた活子と出会い、活子に「うちの嫁に」と誘いかけます。活子は東京の下町生まれで実家は琺瑯工場を営んでおり、演劇の舞台で小道具係の仕事をしている女性です。その後、活子は都堂に嫁入りしますが、京都の言葉や風習の違い、さらには嫁姑問題に苦しみ、桂によるいびりや嫉妬に巻き込まれることになります。

その中でも活子はたくましく生きていく姿が描かれ、彼女の奮闘がドラマのメインテーマです。

第1シリーズでは、守ののんびりとした生活に嫌気が差し、一度東京に戻ってしまう活子の姿が描かれますが、『続・おくどはん』では再び京都に戻り、専務として組み紐のビジネスに貢献する様子が描かれました。この続編では、海外への輸出が行われるなどストーリーが国際的な舞台へも広がります。アメリカのロサンゼルスやサンフランシスコでのロケも行われ、京都の美しい風景や名物が多く盛り込まれていました。

制作とキャスト

ドラマの初期には、原作者である花登筺自身がナレーターとして登場していたことも特徴的です。また、活子役の浅茅陽子が和服姿で登場することが告知されていましたが、実際には洋装で通すこととなりました。

『おくどはん』のキャストには、活子役に浅茅陽子、守役に中条きよし、あや役に宝生あやこ、桂役に加賀まりこなどが名を連ね、各キャラクターが物語に深みを与えています。続編においても新たなキャストが参加し、物語の展開に色を添えました。

主題歌と視聴者への影響

主題歌は『おくどはん』では島倉千代子の「わたし京都へ」が使用され、続編ではたんぽぽの「ひとり歩き」が流れました。ドラマが放送される中で、視聴者は登場人物たちの普段の生活や、特に女性同士の人間関係を通じて描かれる葛藤に共感し、感動を呼び起こしました。

この作品は、京都の文化を知る大きな手助けとなったほか、視聴者にとっても女性たちの力強い生き様を学ぶ貴重な機会となりました。『おくどはん』と『続・おくどはん』は、今もなおファンによって語り継がれています。

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