おけさ号

おけさ号：大阪と新潟を結んだ夜行高速バスの軌跡

「おけさ号」は、大阪と新潟という二大都市を結んだ夜行高速バスの愛称です。阪急バスと新潟交通の共同運行で、1988年から2023年まで、多くの人々に利用されてきました。ここでは、その歴史、運行ルート、詳細な停車場所、そして利用者の声などを詳しく紹介します。

概要

「おけさ号」は、阪急バス側では「新潟線」、新潟交通側では「京都・大阪線」として案内されていました。1988年に運行を開始し、運賃が鉄道利用の半額程度と低価格であったことや、当時としては珍しかった独立3列シートを採用したことが人気の理由でした。1日1往復の夜行便が基本でしたが、週末や年末年始などの繁忙期には続行便が運行されることもありました。また、2005年から2007年まで、昼行便も運行されていましたが、利用客が伸び悩んだため廃止されました。

運行会社

阪急観光バス（大阪営業所）
新潟交通（新潟東部営業所）

停車停留所

「おけさ号」は、以下の停留所に停車していました。

▼：梅田発は乗車のみ、新潟発は降車のみ扱い
▲：新潟発は乗車のみ、梅田発は降車のみ扱い
▽：万代シテイバスセンター：梅田発のみ停車、降車のみ扱い
＃：休憩停車を行うパーキングエリア

運行経路

「おけさ号」の主な運行経路は以下の通りです。

国道423号 -（吹田IC）- 名神高速道路 -（京都南IC）- 国道1号 -（京都南IC）-（米原JCT）- 北陸自動車道 -（新潟西インターチェンジ）- 国道116号新潟西バイパス・国道8号新潟バイパス -（女池インターチェンジ）

乗務員交代のための休憩場所は、阪急バスと新潟交通で異なっていました。阪急バスは、草津PA、南条SA、小矢部川SA、蓮台寺PA、栄PAの順に停車していましたが、後に菩提寺PA、南条SA、小矢部川SA、名立谷浜SA、栄PAに変更されました。一方、新潟交通は、草津PA、南条SA、有磯海SA、栄PAの順に停車していました。

これらの休憩場所の変更は、新潟地区での混雑緩和や、他の路線との休憩時間の重複を避ける目的で行われたようです。

沿革

「おけさ号」は、1988年の運行開始から2023年の休止まで、さまざまな変遷を遂げてきました。主な沿革は以下の通りです。

1988年9月29日：大阪（阪急梅田） - 京都駅前 - 新潟駅前間で運行開始（夜行便1往復）。
1989年7月24日：万代シテイバスセンターへの乗り入れを開始。
1999年2月1日：千里中央バス停を新設。
2001年12月21日：名神茨木、名神高槻、名神大山崎、京都深草、三条燕、巻潟東、鳥原、県庁東の停車取扱い開始。
2005年7月23日：昼行便運行開始。
2007年10月28日：昼行便廃止、夜行便のみの運行に戻る。
2014年7月14日：新潟市内の運行経路を変更。県庁東、市役所前、古町、万代シテイバスセンター前のバス停を廃止。
2020年4月8日：新型コロナウイルス感染拡大の影響により、運休。
2022年7月1日：阪急バスの高速バス事業が阪急観光バスに移譲。
2023年3月28日：3月31日限りで路線を休止すると発表。

使用車両

両社とも独立3列シート（定員29名）、化粧室付き車両を使用していました。毛布・スリッパの貸与がありましたが、ホットドリンクサービスは2011年9月1日に廃止されました。

その他

「おけさ」という愛称は、民謡「佐渡おけさ」に由来しています。また、新潟交通が出資している佐渡汽船のカーフェリーには「おけさ丸」という名前の船があります。

「おけさ号」の休止は残念ですが、その歴史は人々の記憶に残るでしょう。長きにわたり、大阪と新潟を結び続けた「おけさ号」の功績を称えたいと思います。

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