おさい

おさいの方（おさいのかた、生没年不詳）は、室町時代後期から戦国時代にかけての女性で、周防の戦国大名・大内義隆の2番目の正室（継室）です。

生涯

おさいの方の父は官務家の小槻伊治で、義隆の最初の正室である万里小路貞子に仕える上臈でした。貞子夫人が子を授からなかったため、いつしか義隆はおさいの方に惹かれるようになります。天文14年（1545年）には、義隆の嫡男となる義尊を出産しました。しかし、『大内義隆記』には「御曹子（義尊）は実子にてはをはしまさぬと申せども、証拠は更になかりけり」と記されており、義尊が本当に義隆の子であるかどうか疑う声も存在しました。

しかし、義隆はおさいの方を深く愛し、貞子と離縁した後はおさいの方が事実上の正室として扱われるようになり、貞子が住んでいた御殿に移り住みました。これにより、おさいの方の権勢は大内家中で増大し、多くの家臣が彼女に取り入ろうとしました。その結果、大内家の家政は乱れ、後の大寧寺の変の遠因になったとされています。

天文20年（1551年）の大寧寺の変では、義隆や義尊、義尊の乳母らと共に法泉寺に逃れましたが、義隆の勧めにより宮野の妙喜寺へ、次いで山口の光厳寺へと避難し出家しました。この変事で義隆と義尊、さらに父の伊治も陶晴賢によって殺害され、おさいの方は朝夕菩提を弔う日々を送ったと伝えられています（『大内義隆記』）。

おさいの方を演じた人物

* 毛利元就（1997年、NHK大河ドラマ、演：川越美和）

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