万里小路貞子

万里小路貞子：大内義隆を支えた公家の妻

万里小路貞子（までのこうじ さだこ）は、永正7年（1510年）頃に生まれたとされる、室町時代後期から戦国時代にかけての女性です。公卿・万里小路秀房の娘として京に生まれ、周防の戦国大名・大内義隆の正室となりました。彼女は「本女中様」とも称されました。

大内家へ

大永4年（1524年）頃、15歳で義隆に嫁ぎました。理知的で気性が強く、賢夫人としての評判を得ていましたが、その気の強さが夫婦関係に影を落とすことになります。

夫婦の危機

夫婦仲は円満とは言えず、義隆が他の女性に恋文を送った際、誤って貞子の手に渡ってしまいます。これに対し、貞子は歌を詠んで義隆とその女性を批判しました。この逸話は、彼女の強い意志と、夫婦間の不和を物語っています（『毛利元就山口下向饗応記』）。

離縁、そして

子宝に恵まれなかったこともあり、義隆は侍女のおさいを寵愛するようになります。おさいが嫡男・義尊を産むと、夫婦関係は完全に破綻。貞子は離婚し、京へと戻りました。その後の消息は明らかではありません。

離婚が義隆の意向によるものか、貞子の意向によるものかは定かではありません。しかし、当時、大名が側室を持つのは一般的でしたが、離婚は異例でした。貞子の気の強さが、後の大寧寺の変の一因になったとも考えられています。

参考文献

福尾猛市郎『大内義隆』吉川弘文館〈人物叢書〉、1989年。ISBN 4-642-05173-2。

万里小路貞子が登場する作品

『毛利元就』（1997年、NHK大河ドラマ、演：佐藤恵利）


彼女の生涯は、戦国時代の女性の生き方や、大名家の内情を垣間見ることができる貴重な事例と言えるでしょう。

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