おたすけ人走る!!

おたすけ人走る!!

『おたすけ人走る!!』は、弓月光が1980年に『週刊マーガレット』（集英社）で連載した漫画作品。創立50年の伝統を持つ清澄女学院が、共学化と校名変更によってスポーツ校「PR学園」として新たなスタートを切る物語です。

あらすじ

生徒数減少に悩む清澄女学院の学園長・長沢節子は、学校を共学化し、スポーツに特化したPR学園として再出発を図ります。全国からスポーツ自慢の落ちこぼれが集められ、園長の娘・長沢可奈の指示のもと、無茶な体力テストに挑むことに。見事合格した織田助作をはじめとする15名の男子生徒は、PR学園運動部の特待生として、スポーツ活動を通じて学校をPRしていくことになります。

主な登場人物

織田 助作（おだ すけさく）
本作の主人公。群馬県出身の明るいお調子者。勉強は苦手だが、抜群の運動神経を持ち、スポーツ全般が得意。しかし、器用貧乏な一面も。ずる賢く、勝利のためには手段を選ばないため、スポーツマンシップに欠ける。可奈からは「抜け作」と呼ばれる。運動部キャプテン決定戦に勝利し、キャプテンに就任。野球部ではピッチャー兼キャッチャーを務める。可奈に恋心を抱いている。

長沢 可奈（ながさわ かな）
PR学園1年生で、学園長の娘。園長代理として男子生徒の入試を取り仕切る。後に、園長の命令で男子運動部のマネージャーとなり、寮に住み込み彼らの世話をすることになる。正々堂々とした勝負を好むが、助作の姑息な手段には反発する。助作たちを懲らしめるために無茶な対外試合を企画するが、自身も助作の命令で運動部に強制入部させられ、野球の西東京予選に出場することになる。ポジションはキャッチャー兼ピッチャー。球が遅いため打ちにくいという意外な才能を発揮する。津和野那智になりすまして試合に出場。

馬場 明吉（ばば あきよし）
東大理Ⅰ、日本体育大学大学院卒の体育教師。プロレス好きが高じて運動理論を極め、スポーツはショーであるという持論を持つ。スポーツ経験は全くないが、博士号を持つという理由でPR学園に採用される。勝利のためには反則も厭わない主義。

長沢 節子（ながさわ せつこ）
PR学園の学園長で、可奈の母。生徒減少に悩む清澄女学院を立て直すため、PR学園としてスポーツ校を目指す。派手好きで、学校のアピールのためには手段を選ばない。

津和野 那智（つわの なち）
PR学園男子運動部1年。長髪で中性的な容姿の美少年。ナルシスト気味で、女性にはあまり興味がない。女性と間違われる容姿のため、可奈と入れ替わって野球の試合に出場する。運動部員だが、マネージャーのような役割が多い。プロレスが好き。

釜田 晴彦（かまだ はるひこ）
PR学園男子運動部1年。福島県出身。不動産屋の御曹司。柔道と相撲が得意。

大願寺 誠（だいがんじ まこと）
PR学園男子運動部1年。北海道出身。パルプ工業と林業を営む大富豪の息子。2メートル40センチメートルの長身。口数が少なく、「はァ」しか話さない。テニスと野球のルールを混同して覚えている。凄まじいパワーの持ち主。

金田 正一郎（かねだ しょういちろう）、金田 正二郎（かねだ しょうじろう）、金田 正三郎（かねだ しょうざぶろう）
PR学園男子運動部1年の三つ子。大阪府出身。陸上競技が得意。野球では機動力を活かしたプレイをする。

加藤（かとう）
PR学園男子運動部1年。野球一筋で生きてきた。将来の夢はプロ野球選手。クールな性格と端正な容姿で女性人気が高い。野球のセンスは抜群だが、メンタルは弱い。

速水（はやみ）
PR学園男子運動部1年。剣道が得意。

吉村（よしむら）
PR学園男子運動部1年。ラグビーが得意。代打でのみ出場。

雨宮 桜（あまみや さくら）
可奈のクラスメイト。淑やかな美少女で、女子応援団を設立し、男子運動部を応援する。

書誌情報

弓月光『おたすけ人走る!!』集英社、全3巻
1980年7月25日、ISBN 4-08-850493-3
1980年8月25日、ISBN 4-08-850502-6
* 1980年9月25日、ISBN 4-08-850511-5

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