おっつけ

おっつけについて

おっつけ（追っ付け、押っ付け）は、相撲の重要な技術の一つです。この技は相手の差し手を封じ込めるために使われ、自身の肘を脇に押し付けて相手の動きを制限します。相手が差しや突っ張ってきた際に、自分の手を相手の肘に外側から当てがい、しぼり上げる動作がこの技の基本的な形となります。しかし、おっつけ自体は相撲の決まり手には含まれません。

おっつけを効果的に使うためには、正しい足の運びと低い姿勢が求められます。おっつける側は、しっかりと足を入れ、低い姿勢を保ちながら相手に近づく必要があります。これにより、相手の肘や肩を極めることができ、相手の重心を浮かせることが可能になります。この技は攻撃と防御の両方に威力を発揮し、相撲の技術の中でも特に重要な位置を占めています。

歴史的には、大正時代の横綱栃木山がこの技に優れていました。彼は左利きでしたが、右腕の力を鍛えて「左ハズ押し」「右おっつけ」において確固たる技術を持つ力士として名を馳せました。また、昭和時代には大関の清國が記憶に残るおっつけを披露し、平成に入ると3代目横綱若乃花や大関の栃東がこの技の名手とされました。彼らの試合におけるおっつけの活用は、観客に強い印象を与えたことでしょう。

さらに面白いのは、日常の言語においても「おっつける」という表現が使われる場面です。この場合、食事を他の人におごらせるという意味合いで用いられます。相撲の技から派生したこの言葉は、広い範囲で日常の会話に浸透していることが分かります。

おっつけは単なる技術ではなく、相撲の中に根付いた文化とも言えるでしょう。技術を磨くことにより力士は自らの体力を最大限に引き出し、精神的な成長を遂げます。相撲の技術の中でおっつけは、シンプルでありながら奥深い技の一つとして、多くの力士に受け継がれています。

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