おと、をかし

おとをかし

概要

『おとをかし』は、ロックバンド[Alexandros]のボーカル・ギターである川上洋平がパーソナリティを務めるラジオ番組です。TOKYO FMを制作局として放送されています。この番組は、川上洋平にとってキャリア初の冠番組となります。番組では、洋楽・邦楽といったジャンルに捉われず、ドライブに合う楽曲や映画のサウンドトラックなど、パーソナリティ自身がその時々の空気感、季節、あるいは世の中の雰囲気に寄り添って選び抜いた多様な音楽が紹介されます。

番組タイトルである「おと、をかし」（改題後は「おとをかし」）には複数の意味が込められています。一つは、平安時代の古典で使われる「いと、をかし」の「をかし」という言葉から取られています。「をかし」は「興味深い」「美しい」「趣深い」といった心情や対象に対する肯定的な感情を表す言葉です。もう一つは、番組開始当初から2025年3月まで放送されていた土曜日の午後3時という時間が、いわゆる「おやつの時間」であり、その「お菓子」との語呂合わせが用いられています。そして、番組の根幹である「音楽の音（おと）」が掛け合わされ、これらの要素が組み合わさって「おと、をかし」という番組名が生まれました。

番組の変遷

本番組は、2015年10月から2021年3月まで放送されたTOKYO FMの番組『SCHOOL OF LOCK!』内の人気コーナー「ARTIST LOCKS!」の一つ、「アレキサンドLOCKS!」のパーソナリティを務めていた川上洋平が、その終了を受けて新たに開始したものです。番組開始当初から2025年3月29日までは、『おと、をかし』の番組名でTOKYO FMをキーステーションにJFN全国38局ネットで放送されていました。

2021年10月からはパナソニック株式会社が一社提供スポンサーとなり、番組名も『Panasonic presents おと、をかし』と冠名が付けられて放送されました。このパナソニックによる提供は2024年3月30日放送分をもって終了しました。スポンサー降板後は、番組冒頭でTOKYO FMが制作に関わる別番組のスポットCMが流れる形式に変わりました。

放送時間についても変遷があります。番組開始から2021年6月26日までは毎週土曜日15時00分から15時30分までの30分番組でした。しかし、2021年7月3日からは後続番組の編成の都合により、放送時間が5分短縮され、毎週土曜日15時00分から15時25分までの放送となりました。そして、2025年3月29日の放送をもってJFN系列での全国ネット放送を終了し、翌週の4月5日からはTOKYO FMのみで放送されるローカル番組へ移行しました。これに伴い、放送時間も毎週土曜日12時30分から12時55分へと変更され、番組タイトルも句点（読点）が取れた『おとをかし』に改題されました。

主なコーナーと企画

番組内ではリスナーが参加できるいくつかの企画が行われました。

本日のお菓子クイズ: 川上洋平が番組中に食べているお菓子の咀嚼音や袋を開ける音などから、リスナーがお菓子の具体的な商品名を当てるというユニークなクイズコーナーです。正解したリスナーには、番組オリジナルのステッカーがプレゼントされました。

#今日のセンタク: リスナーから寄せられた音楽のリクエストの中から、パーソナリティである川上洋平がその時の自身の気分に合う一曲を「センタク（選択）」してオンエアするコーナーでした。さらに、毎月最終週には、特定の「名曲」や「名盤」を取り上げ、それが生まれた時代背景や当時のファッション、文化との関連性などを交えながら深く掘り下げて解説するという企画も実施されていました。このコーナーは、パナソニックの一社提供終了に伴い、2024年3月をもって終了となりました。

また、前身番組の「アレキサンドLOCKS!」から引き継ぐ形で、リスナーからの「進路指導相談」も募集しており、真剣な悩みに川上洋平が答える企画も継続して行われています。これらのリスナー参加型企画は、番組とリスナーとの距離を縮める重要な要素となっています。

オンラインコンテンツとしては、AuDeeにて毎週金曜日21時にスピンオフ番組が配信されており、本編では語られないトークなどが展開されています。このスピンオフ番組には、前述の「アレキサンドLOCKS!」から本番組まで、長年にわたり川上洋平のラジオを担当している放送作家の吉田ウーロン太氏も出演し、軽快なやり取りを繰り広げています。また、放送でオンエアされた楽曲は、放送後に音楽ストリーミングサービスSpotifyでプレイリストとして公開され、番組を聴き逃したリスナーや楽曲を改めて楽しみたいリスナーに提供されています。

特別な放送とイベント

番組では、通常のスタジオ放送に加え、公開イベントや特別番組も企画・実施されています。

公開生放送・公開収録: 2021年12月25日には、初の公開生放送「Panasonic presents おと、をかし〜クリスマスに生放送という ＃センタク〜」を寺田倉庫 E HALLで開催し、リスナーを招待しました。翌年の2022年12月25日にも同会場で公開収録「公開収録 IN東京・天王洲 〜 "をかし"な年末スペシャル2022」が行われ、その模様は年末に放送されました。さらに、2024年10月12日には、埼玉県深谷市のふかや花園プレミアム・アウトレットにて公開収録が実施され、翌週にその様子が放送されました。

特別番組: 通常放送とは別に、特別なテーマや内容で放送される特別番組も企画されました。2024年3月30日には、パナソニック提供の最終日として特別番組『Panasonic presents もっと!おと、をかし』が放送され、リスナーからの受験や新生活に関するメッセージに川上洋平が直接電話で応じたり、プレゼント企画が実施されたりしました。同年10月19日には、パナソニック株式会社と花王株式会社がサポートする形で『もっと!おと、をかし。suppoterd by Panasonic and Kao』が放送されました。この回は同日の通常放送がアウトレットでの公開収録だったため、スタジオからの放送形式を代替する役割も担いました。

* ゲスト・代演: 2023年8月26日の放送では、イギリスの世界的ロックバンド、ブラーのベーシストであるアレックス・ジェームスがゲスト出演し、川上洋平によるインタビューの模様がオンエアされました。また、2024年11月16日の放送では、パーソナリティである川上洋平が体調不良のため、ラジオDJのジョージ・ウィリアムズが代役としてパーソナリティを務めました。これらの特別企画や放送は、番組に彩りを加え、リスナーに多様な楽しみを提供しています。

これらの要素を通じて、『おとをかし』は単なる音楽番組に留まらず、パーソナリティとリスナーが交流し、様々な「をかし」を感じられる空間を提供しています。

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