おはようさん

『おはようさん』について

『おはようさん』は、1975年10月6日から1976年4月3日まで放送されたNHKの連続テレビ小説であり、同局の大阪放送局が制作した第16作目です。この作品は、作家田辺聖子による小説「甘い関係」が原作であり、大阪を舞台に主に一人のOLの日常生活を描いています。

登場人物とキャスト

ヒロイン・殿村鮎子役には秋野暢子が起用され、彼女の周囲の人々との関係が物語の中心となります。また、義姉役の中田喜子は大阪弁のキャラクターとして出演予定でしたが、標準語を使う役に変更されることとなりました。この決定は彼女自身によるもので、後にインタビューで語られました。他にも、鮎子の家族や友人たちが登場し、それぞれのドラマが展開されます。特に、彩子役の中田喜子や、父・一作役の西山嘉孝など、個性的なキャラクターたちが物語に深みを与えています。

番組の特徴と演出手法

この番組は、時代背景として1975年前後の現代を設定しており、物語の展開にリアリティを持たせる工夫がされています。オープニングにはアントニオ・ヴィヴァルディの名曲「四季」の春の第一楽章をポップス調にアレンジした音楽が使用されており、これも作品の新たな特色として話題となりました。特に注目すべきは、撮影技法で、「ドラマの原点に戻る」というテーマのもと、1話を通してカメラを止めずに撮影されるスタイルが採用されたことです。この手法により、場面の自然な流れが再現され、俳優たちの生き生きとした演技が引き立ちました。

現在のところ、放送期間中の平均視聴率は39.6%であり、最高視聴率は44.0%を記録しています（関東地区におけるビデオリサーチ調べ）。これは放送当時、大阪府が初めて舞台として設定された朝ドラ作品でもあり、地元に密着した内容により多くの視聴者から愛されました。

現在の映像アーカイブ状況

放送終了後も、この作品の重要なエピソードが現存していることは、2008年の段階での情報として知られています。具体的には第1話、第18話、第54話、そして最終話がNHKにより保存されており、放送ライブラリーでは第1回の放送が公開されています。

スタッフと音楽

スタッフ陣も優れた面々が揃っており、原作は田辺聖子、脚本は松田暢子、音楽は奥村貢が担当しました。また、オープニングテーマには「四季」からの楽曲が使われており、イメージソング「おはようさん」はダ・カーポが歌っています。演出は藤田道郎が担当し、制作には土居原作郎が関与しました。これらの要素が結集し、『おはようさん』は長きにわたり視聴者に愛される作品となりました。

このドラマは、当時のOLの生活をリアルに描くだけでなく、大阪文化の魅力や人々の温かさを表現した点でも評価されており、今もなお多くのファンに記憶され続けています。

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