おみくじ

おみくじとは

おみくじ（御神籤・御御籤・御仏籤などの表記もある）は、神社や仏閣で非常に古くから吉凶を占うための道具として利用されている。おみくじという言葉は、一般的に「くじ」という言葉に敬意を示す前置詞「み」が加わったもので、漢字で書く際には「御籤」や、神社で引くものは「神籤」、寺院のものは「仏籤」と表記される。ただし、今日では「神籤」という用語が広く使われている。現代の多くのおみくじは、おみくじ箋（紙片）から構成されている。

歴史

古代においては、国家の重要な事柄や後継者選びの際に神の意志を確認するためにくじ引きが行われていた。これが神籤の原型となっている。日本における現代のおみくじの起源は、比叡山にある元三大師堂に伝わる元三慈恵大師良源の創始に由来するとされている。彼は観音菩薩から授けられた行為を通じて、五言四句の偈文100枚の中から一枚を引かせ、その内容から今後の行動を示唆していた。

おみくじは、特に神仏の意志を感じるためのものを「みくじ」や「おくじ」と呼び、それ以外の一般的なものは「くじ」と呼ぶようになった。参拝者が自らの運勢を占うために引く行為は、鎌倉時代の初期から行われており、当時は自分でくじを準備するのが一般的だった。

現在でも、神の意思を占う神事として神籤は各地の神社で使用されており、特に富士吉田市の冨士山下宮小室浅間神社の流鏑馬祭りなどでその役割を果たしている。

みくじ箋の作成

現在のおみくじの多くは女子道社によって制作されており、その多くは日本国内の寺社で流通するほか、海外へも輸出されている。また、各神社で独自に制作される場合も少なくない。

籤引きの方法

おみくじを引く方法には様々な形式がある。一般的な方法は、みくじ棒と呼ばれる細長い棒を入れた筒から一本の棒を取り出し、その番号に対応するおみくじ箋を受け取るというスタイルである。この方式は元三大師の由来であり、番号は大吉から凶まで連続している。おみくじの引き方は、参拝者自身が行う場合や、神職が祝詞を捧げながら行う場合も存在する。最近では、コロナウイルスの影響で、直接選ぶスタイルに変更された神社もある。

そのほか、自動販売機でおみくじを入手する方法も広まり、特に女子道社が開発している。

おみくじの内容

おみくじ箋には運勢や具体的な願望に関する情報が記載されている。内容は、吉凶の表記、運勢の説明、各種願望に対する運勢などで構成されている。特に吉凶には「大吉」から「凶」に至るまで様々なバリエーションがある。このほか、添えられる和歌や漢詩によって運勢を示す例も多い。近年では、吉凶の比率を調整して凶を減らす神社も増えてきた。

結び付けの習慣

おみくじを引いた後には、神籤を境内の木に結ぶ習慣がある。この風習は恋愛の「縁を結ぶ」という意味合いから発展し、近年は専用の掛け所が設けられることも多い。

中国のおみくじ

中国でも同様におみくじのようなものが存在し、特に香港の黄大仙祠などで見ることができる。この神籤は様々な願望に対し吉凶を占うために使われる。

信奉と現代の状況

最近の調査によれば、若年層の信奉率は約28%、壮年層においては46%と、年齢による信奉傾向の違いが見受けられる。このようにおみくじは、日本の文化の一部として、現在でも多くの人々によって使用され続けている。

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