おもかげ (映画)

映画『おもかげ』の詳細

『おもかげ』（Madre）は、2019年に公開されたスペイン・フランスのドラマ映画で、監督はロドリゴ・ソロゴイェンが務める。この作品は、2017年に製作された短編映画『Madre』を元にしている。主演はマルタ・ニエトとジュール・ポリエが務め、物語は母親エレナの息子を巡る悲劇的な運命を描いている。

ストーリー概要

物語は、エレナが別れた夫ラモンとともに旅行中の6歳の息子イバンからの電話を受け取る場面から始まる。電話の内容から、イバンは父親とはぐれており、フランスの海辺にいることがわかる。しかし、エレナが彼を探そうとするも、居場所を突き止めることはできないまま、イバンは失踪してしまう。

10年後、エレナはフランスの海辺でレストランの店長として働いているが、ある日、イバンと瓜二つの少年ジャンと出会う。彼との出会いがエレナの心に何かを呼び起こし、彼女は次第にジャンに惹かれていく。ジャンは裕福な家庭で幸せに育っているが、エレナは彼がイバンの面影を持つことに戸惑いを隠せない。

エレナは、ジャンの姿を追いかけるうちに、彼との友好関係を築く。しかし、エレナにとってこの関係は複雑なものであり、彼女の婚約者ヨセバもジャンの存在に気づきつつも、静かに見守る立場をとる。

ある祭りの夜、泥酔したジャンをエレナが深夜に送り届けた際、ジャンの両親はエレナとの接触を禁じ、ジャンを家に閉じ込める。しかし、ジャンはエレナに助けを求め、彼女はこれに応じるが、その結果、ジャンの家族から激しい非難を浴びて怪我をしてしまう。

ふとしたきっかけで、エレナは再びジャンと会うことになる。彼は家族とパリへの帰路で逃げ出し、道に迷っていた。エレナはジャンの救出を決意し、ヨセバはこの行動を危惧する。エレナが苦しい選択をする中、彼女は再会したジャンを強く抱きしめ、その後彼を家族のもとへ送り返す。エレナは孤独な自宅に戻り、過去の元夫ラモンに電話をかけることになる。

キャスト

• - エレナ: マルタ・ニエト
• - ジャン: ジュール・ポリエ（エレナの失踪した息子イバンの面影を持つ少年）
• - ヨセバ: アレックス・ブレンデミュール（エレナの婚約者）
• - レア: アンヌ・コンシニ（ジャンの母親）
• - グレゴリー: フレデリック・ピエロ（ジャンの父親）
• - ラモン: ラウール・プリエト（エレナの元夫）

作品の評価

『おもかげ』は、映画批評家から高評価を得ている。フランスの32のメディアによる評価は、5点満点中3.6点となっている。また、Rotten Tomatoesでは、25件の評論のうち92%が高評価とされ、平均点は7.4点である。さらに、Metacriticでは、全ての評論が高評価で、平均点は73点となっている。

受賞歴

この映画は、第76回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で主演女優賞を受賞し、才能あるキャストによる力強い演技が評価された。

公式情報

映画の詳細については、公式ウェブサイトや各種映画情報サイトで確認することができる。

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