おやじの会

おやじの会について

概要

おやじの会とは、小学生の父親を中心とした地域組織で、PTA活動に類似した形式で地域の子どもたちを支援する活動主体です。名称は地域によって異なりますが、中学生の父親やOB、場合によっては教師や特別支援学校のスタッフが支援することもあります。これにより、必ずしも現役の小中学生の親だけでなく、広範なコミュニティから参加者が集まることが特徴です。

東京におけるおやじの会の始まりは1986年に遡ります。当時、中野区立中野富士見中学校で発生したいじめ事件をきっかけに、PTAの会長が「学校は地域の中心。学校を守るために」と周囲の父親たちに呼びかけて設立されました。PTAの活動が女性の参加が主となる中、おやじの会は父親も参加しやすい形として必要とされるようになりました。

活動形態は地域によって異なり、休日を中心とした活動が多く、母子家庭に配慮した別の名称で活動する団体も増えてきています。2009年の時点で、日本国内には約4000の団体が存在するとされています。

おやじ日本

2004年6月には、東京都の副知事であった竹花豊の主導で「おやじ日本」というネットワーク組織が設立されました。この組織は2009年には「特定非営利活動法人（NPO法人）おやじ日本」として新たなスタートを切りました。おやじ日本は、全国各地のおやじの会のネットワークを強化し、支援を行う役割を担っています。

2006年には映画『ボディ・ジャック』を推薦し、その活動の幅を広げています。これらの取り組みを通じて、地域社会における父親の意義や役割を再認識し、社会的な関与を促進しています。

日本「おやじの会」連絡会

おやじの会は川崎市で1982年に生まれた「おやじの会『いたか』」が元祖であると言われています。日本「おやじの会」連絡会は、リーダーシップのない「ネットワーク型組織」として設立され、約4000団体のおやじの会の交流や情報交換を促しています。この連絡会は、全国に広がったおやじの会が互いに支え合い、子どもたちのために何をできるかを共に考えることを目指しています。

会の設立は2005年の京都での第3回全国おやじサミットの際に決定され、以降年に一度全国おやじサミットが開催されています。これらのサミットは強制のない、在野の父親たちによる自主的な組織運営が行われており、伝統的なPTAの枠組みを超えた活動を展開しています。

全国おやじサミット

全国おやじサミットは2003年に香川県で第1回が行われ、そこから毎年開催されるイベントとなっています。各地から集まった父親たちは、自身の資質向上や所属するおやじの会の活性化を目指した交流の場として、このサミットを利用しています。特に家庭や地域における責任感を深め、主体的な役割を果たす意識を高めるための重要な機会となっています。

サミットの開催は毎年異なる都道府県で行われ、事前に希望者の挙手によって次回開催地が決定します。自主的な運営が特徴であり、また各地域のおやじの会の情報交換や支援の場として大変重要な役割を果たしています。

最近では、コロナ禍によりオンラインツールの活用が促進され、新たな形での活動模索が行われています。2023年には愛媛県と香川県の共同で再び香川県での開催が決定し、これからの活動に期待が寄せられています。

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