竹花豊

竹花豊氏は、1949年生まれの警察官僚、そして東京都の副知事を務めた人物です。兵庫県出身で、東京大学法学部卒業後、警察庁に入庁しました。

警察庁では、着実にキャリアを積み重ね、刑事局、保安部、生活安全局など様々な部署で要職を歴任しました。オーストリア大使館での勤務経験もあり、国際的な視野も持っています。特に薬物対策や暴力団対策の分野では、その専門性を生かした活躍が目立ちました。大分県警察本部長や広島県警察本部長としての経験も持ち、地方警察の運営にも精通しています。警視庁では、地域部長や生活安全部長として、東京の治安維持に貢献しました。

2003年に東京都副知事に就任したことは、警察官僚として異例のキャリアパスでした。石原慎太郎東京都知事の招聘によるもので、警察官僚出身者としては初めての東京都副知事となりました。副知事時代には、緊急治安対策本部本部長として、歌舞伎町の風俗店を一斉摘発する「歌舞伎町浄化作戦」を指揮しました。この作戦は、歌舞伎町の治安改善に大きな影響を与えた一方、その手法や効果については様々な意見があります。

青少年の育成にも力を入れ、東京都の青少年保護育成条例の改正強化を2回実施しました。2005年の改正では、淫行処罰規定が盛り込まれました。また、都庁内に「東京都青少年・治安対策本部」を創設するなど、青少年の健全育成のための組織整備にも尽力しました。

警察庁退官後は、民間企業の役員や顧問などを歴任しました。松下電器産業（現パナソニック）、東京ビッグサイト代表取締役社長などを歴任し、企業経営の分野でも手腕を発揮しています。

一方で、社会貢献活動にも積極的に参加しています。「おやじの会」のネットワーク組織である「おやじ日本」の会長として、青少年のインターネット利用に関する問題や、バーチャル社会における青少年の安全対策などに取り組んでいます。2008年には、参議院内閣委員会で参考人招致され、青少年のインターネット利用環境整備に関する法律案について意見を述べています。

著書に『子どもたちを救おう』（幻冬舎）があり、青少年育成への強い思いが伝わってきます。

竹花豊氏の経歴は、警察官僚としてのキャリアのみならず、東京都副知事、民間企業役員、社会活動家としての多様な顔を持つ、まさに多彩な人生と言えるでしょう。警察官僚としての経験と専門性を生かしながら、様々な分野で社会貢献を続けている、稀有な存在と言えるのではないでしょうか。警察組織内部における批判的な意見もあるものの、彼の功績は、日本の治安と青少年育成に多大な影響を与えたことは間違いありません。彼の功績と、今後の活動に注目が集まります。

もう一度検索