おやゆび姫物語

おやゆび姫物語

『おやゆび姫物語』は、1992年から1993年にかけてテレビ東京系列で放送された全26話のテレビアニメです。原作は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『親指姫』。しかし、本作は原作の基本的なアイデアを活かしつつ、物語を大幅に膨らませ、主人公マーヤの心の成長を軸とした冒険ファンタジーとして展開されています。

あらすじ

主人公のマーヤは、いたずら好きでわがままな女の子。その手に負えない性格を心配した母親は、魔法使いのおばあさんに相談します。おばあさんは、マーヤを良い子にするために古い「親指姫」の絵本を渡しました。

絵本を読んでいるうちに眠ってしまったマーヤは、絵本の世界に迷い込んでしまいます。そこで出会ったのは、魔法使いのエンゼラー。「ママに会うためには、南の国にいる水晶の王子に会わなければならない」と告げられたマーヤは、お菓子の妖精ノーブルと共に、南の国を目指す旅に出ます。しかし、彼女たちの行く手には、悪い魔女ヘルーラの妨害が待ち受けていました。

登場人物

マーヤ：本作の主人公。わがままでいたずら好きですが、根は優しい女の子。母親に会うため、ノーブルと共に南の国を目指します。
ノーブル：お菓子の国の妖精で、金平糖のような頭が特徴。エンゼラーの命を受け、マーヤの案内役として旅をサポートします。トンボの姿に変身して空を飛ぶこともできます。
ママ：マーヤの母親。物語の世界はママの夢の中なので、本編では眠ったままです。
ケロ太：カエルの親子の息子で、マーヤを嫁にしようと追いかけます。
ガマ子：ケロ太の母親。小さくなる前のマーヤにいたずらされたことを根に持っています。
ゾビル：魔女ヘルーラの手下。
魔法使いのおばあさん：マーヤの母親に魔法の絵本を渡します。マーヤが本当は優しい子だと見抜いています。
エンゼラー：夢の世界に住む良い魔女。マーヤにママに会う方法を教え、魔法の赤い靴を渡します。
ヘルーラ：夢の世界に住む悪い魔女。マーヤのママが目を覚ますと悪夢が消えてしまうため、マーヤを夢の中に閉じ込めようとします。

特徴

原作からの大胆なアレンジ：原作の『親指姫』とは異なり、マーヤは王子様と結婚するのではなく、現実世界に戻ることを目指します。この点は、当時流行していたミヒャエル・エンデの『はてしない物語』の影響が見られます。
1話完結形式：基本的に1話完結のストーリーで、各エピソードで様々な冒険が繰り広げられます。
マーヤの成長物語：旅を通して、マーヤはわがままな性格を克服し、成長していきます。

主題歌

オープニングテーマ：「プラネタリウムにようこそ」 歌：松浦有希
エンディングテーマ：「口笛の丘」 歌：松浦有希

スタッフ

原作：H・C アンデルセン
監督：森田浩光
シリーズ構成：酒井あきよし
キャラクターデザイン：森野うさぎ
音楽：村上浩司
制作：メルヘン社

ビデオソフト

VHSがリリースされましたが、現在は廃盤となっています。2017年には韓国でDVD-BOXが発売されました。

『おやゆび姫物語』は、原作のイメージを覆す斬新なストーリーと、可愛らしいキャラクターたちが魅力的なアニメ作品です。

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