おんなは度胸

おんなは度胸

『おんなは度胸』は、1992年4月6日から10月3日まで放送された、NHKの連続テレビ小説第47作です。このドラマは、主演の泉ピン子と桜井幸子によるダブルヒロインで展開され、脚本は有名な作家・橋田壽賀子が担当しました。

作品の背景

本作は、橋田が脚本を担当した唯一の半年間にわたる朝ドラで、通常は1年間放送されるスタイルが一般的でした。このため、視聴者には新しい試みと感じられたことでしょう。物語は、架空の温泉地「有浜温泉」を舞台に、家族や女同士の葛藤が描かれています。温泉旅館「はなむら」に東京から后妻として嫁いできた玉子、義理の娘である裕子を中心に展開される物語は、その人間模様が注目されました。

物の世界と現実の葛藤は、視聴者に深い感情を呼び起こし、放送期間中には高い視聴率を記録しました。1992年の平均視聴率は38.5%、最高視聴率は45.4%に達し、NHKが誇る即応性の高いドラマとして多くの視聴者に支持されました。

物語のあらすじ

玉子（泉ピン子）は父の死後、花村家に後妻として嫁ぎます。老舗旅館の女将として旅館業を切り盛りしながら、義理の娘である裕子（桜井幸子）や他の家族との関係に苦しみつつも、成長していく姿が描かれます。特に、裕子と玉子の立場の変化や、女将としての役割を果たす中での葛藤が物語の大きな軸となっています。玉子が病に倒れるという逆境を経験した後、彼女は経営を新館へと託し、再び旅館に戻る決意をします。一方で、裕子も新しいアイディアで旅館の運営を変えようと奮闘し、二人の相互作用が作品全体を通じて描かれています。

主な登場人物

主人公たち

• - 山代玉子（演: 泉ピン子）: 東京から嫁いできた後妻で、旅館「はなむら」の女将。家族とともに事業を盛り立てていく。
• - 花村裕子（演: 桜井幸子）: 清太郎の次女。東京でツアーコンダクターを目指していたが、家族の事情により旅館に戻り、若い発想で新館を運営。

その他のキャラクター

• - 花村達子（演: 藤山直美）: 清太郎の長女。玉子に対して最初は反発を感じていたが、次第に彼女の成長を理解していく。
• - 花村清太郎（演: 藤岡琢也）: 玉子の夫で、旅館「はなむら」の経営者。

製作と放送に関する情報

ナレーションは、橋田作品の常連である奈良岡朋子が担当し、この作品の語り調は視聴者に親しみやすい印象を残しました。また、放送中のスキャンダルや騒動も話題を呼び、主演の泉ピン子が報道に対してインタビューを行うなど、視聴者の関心を集める要因となりました。

影響と評価

作後、『おんなは度胸』は多くの後続作品に影響を与えました。その脚本技術やキャラクター描写は、2013年度下半期の朝ドラ『ごちそうさん』においても参考にされるなど、テレビドラマの質を高めた作品として評価されています。いまだに放送ライブラリーでは第1回が公開されるなど、多くのファンに愛され続けている作品です。

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