お絵かき掲示板の概要
お絵かき掲示板(おえかきけいじばん)は、
電子掲示板のストレスフリーなコミュニケーション手段として、ペイントツールの機能を組み合わせたプラットフォームです。一般的には「お絵かきBBS」とも呼ばれています。このツールでは、ユーザーはマウスや
ペンタブレットを使って、リアルタイムで絵を描くことができます。利用はほとんどフリーウェアで、基本的な機能としてレイヤーやペイントツールを利用でき、描画過程を保存し公開することで
アニメーションのような表現を可能にしています。
さまざまなペイントツール
お絵かき掲示板には、複数のペイントツールが存在し、それぞれ異なる特徴を有しています。以下はその一部です。
OekakiBBS
1999年に登場し、Javaアプレットを用いて掲示板の機能を持たせたツールです。その革新的なコンセプトにより急速に普及し、バージョン2以降はレンタルのみの提供となりました。現在はサービスが終了していますが、その影響は今でも色濃く残っています。
PaintBBS
シンプルで軽快なインターフェイスが特徴のJavaアプレットで、水彩などの描画機能が豊富に用意されています。ユーザーに「しぃ」と呼ばれることもあり、広く利用されました。
PaintBBS NEO
「PaintBBS」の機能をHTML5+JavaScriptで再現したもので、既存の掲示板にも組み込むことができ、より多くのユーザーに対応できるよう配慮されています。
しぃペインター
「PaintBBS」の進化版で、複数のレイヤーや新しい描画モードが追加され、ユーザビリティが向上しました。標準版とプロ版の2つのUIが用意されています。
PictureBBS
透明色保護機能やレイヤー機能を持つJavaアプレットです。開発終了後は他のソフトウェアによる再配布が行われました。
BBSPainter
他の画像掲示板に組み込んで使用できるJavaアプレットで、柔軟な利用が可能です。
Hanaso.app
このツールには独自の投稿形式があり、描いた作品をSVG形式で自動的に変換して投稿できる機能があります。
複数ツールに対応した掲示板スクリプト
お絵かき掲示板に対応する掲示板スクリプトは、単独のペイントツールに特化しているわけではありません。例えば、「しぃペインター」のダウンロードページには、多機能な「BBSNote」があり、異なる絵描きツールを切り替えて使える設計になっています。このようにして、ユーザーは自分の好みに合わせて様々なツールをフレキシブルに操作できます。
JavaとFlashの支持終了
しかし、時代が進むにつれ、技術の変化が訪れました。2017年にはChromeとFirefoxの両方でJavaプラグインのサポートが終了し、さらに2020年にはFlashのサポートも終了しました。このような技術的制約にも関わらず、JavaアプレットをJavaScriptに変換するサービスが登場し、CheerpJを使えば、旧来のツールでも現代的なブラウザ上での利用が可能となっています。
このように、「お絵かき掲示板」は新しい表現手段を提供し、ユーザー同士のコミュニケーションを促進する場となっています。これにより、ディジタルアートがさらに身近なものとなり、多くのクリエイターがこの場を利用して新たな作品を生み出しているのです。