お鏡

お鏡

概要

「お鏡」は、1985年9月2日から10月18日にかけて、TBS「花王 愛の劇場」枠で放送された昼ドラマです。明治末期から昭和初期の大阪を舞台に、激動の時代を生き抜く一人の女性の波乱万丈な生涯を描いています。

あらすじ

明治43年、大阪。相場師の父、水口清蔵を亡くしたお鏡は、母と共に芸者として身を立てますが、母は贅沢な生活を忘れられず、父を破滅させた天一坊の愛人となります。父の仇を討つため、お鏡は天一坊の手下である杉野と親密になります。しかし、杉野は結核を患っており、お鏡への愛から天一坊を裏切り、株価の暴落を画策します。

天一坊は破産し自殺、杉野は莫大な利益を得ますが、裏切りを咎められ追われる身となります。お鏡と杉野は大阪から逃亡し、漁村で隠れて暮らしますが、杉野は賭博に溺れ、お鏡を女郎屋に売ってしまいます。その後、お鏡は難波座の社長、太田に身請けされ結婚しますが、太田はやくざに殺害されてしまいます。

お鏡は太田の遺志を継ぎ、女興行師として難波座を守ろうとしますが、次々と困難が襲い掛かります。太田の弟、秀夫と難波座を立て直した矢先、お鏡は太田の子を身ごもります。しかし、賭けに負けたやくざに杉野が殺され、さらに秀夫も火事で亡くなってしまいます。

その後、お鏡は息子を育てながら、紙芝居で生計を立てていましたが、警察に疑いをかけられ留置場に入れられます。そこで出会った圭介と惹かれあいますが、圭介もまた悲劇的な運命をたどります。お鏡は数々の別れを経験し、最後に残された息子も戦争で失い、一人激流の滝を見つめるのでした。

主な登場人物

お鏡（演：市原悦子）：本作の主人公。相場師の娘として生まれ、数々の困難に見舞われながらも強く生きる女性。
水口清蔵（演：織本順吉）：お鏡の父。相場師として一発勝負に出るが、破産し自殺。
天一坊（演：岸部四郎）：お鏡の父を破滅させた男。
杉野（演：鹿内孝）：天一坊の手下。お鏡と愛し合うが、結核を患っている。
太田（演：天田俊明）：難波座の社長。お鏡を身請けし、結婚する。
圭介（演：速水亮）：留置場で出会った男。お鏡と惹かれあうが、結核を患っている。
松吉（演：左右田一平）：お鏡に仕える車夫。
秀夫（演：不明）：太田の弟。お鏡を支える。
俊子（演：不明）：秀夫の元恋人。後に、お鏡の理解者となる。

スタッフ

原作：藤本義一『女の淵』
監督：高橋繁男
脚本：高岡尚平、米田いずみ
音楽：木下忠司
制作：TBS、松竹

主題歌

『女のわらべ唄』
作詞：吉田正
作曲：浜圭介
編曲：川口真
* 歌：西城慶子

備考

このドラマは、激動の時代を生き抜く女性の強さと、運命に翻弄される人々の悲哀を描いた作品として、多くの視聴者の心を捉えました。市原悦子の迫真の演技、そして重厚なストーリー展開が、今でも多くの人々に語り継がれています。

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