お願いお星さま

2004年 5月28日にPULLTOPより発売された、アダルト要素を含む恋愛アドベンチャーゲームです。突如空から降り注いだ不思議な星を巡る出来事を通じて、主人公とヒロインたちの関係性が変化していく物語が描かれます。「あなたの願いはなんですか？」というキャッチコピーが、作品のテーマ性を象徴しています。

ゲームシステム

本作は、特定の願い事を実現する「アドベンチャーパート」と、物語の鍵となる願い星を活性化させる「シミュレーションパート」の二つを交互に進めることで進行します。

ゲームの中心となるのは「星図盤」システムです。これは1等星から3等星までの架空の星座が描かれた魔法の装置で、盤上の星一つ一つが、特定のイベントシーン（アダルト要素を含むものも）と結びついています。プレイヤーは魔力を消費して星を選択することで、新たなシーンを解放して閲覧できます。ゲームを進めていくと使用可能な魔力が増え、より高い等級の星（すなわち、より踏み込んだ内容のイベントシーン）を選べるようになります。ただし、一度のプレイで全ての星を解放することは難しく、また願い星を回収する順番によって、物語の展開そのものが変化するという、リプレイ性の高い仕組みも特徴です。

ストーリー

物語は、主人公である天野陽介と、彼の幼なじみである倉橋真朋、橘ひびきの三人組の日常から始まります。長年、友達以上恋人未満という曖昧な関係を続けていた彼らの生活は、ある夜、空から降り注ぐ大量の不思議な流れ星を目撃したことから一変します。この流れ星こそが、どんな願いでも叶えるという魔法の力を持った「願い星」でした。

願い星の落下を目撃した陽介たちの元へ、「遠い国」と名乗る場所からやってきたファムとシルビィが現れます。彼女たちは、願い星を管理する特別な力を持つ「星図盤のマスター」に陽介たちが選ばれたことを告げ、散らばってしまった願い星に込められた願いを叶え、再び星図盤に収めるという任務を依頼します。しかし、困ったことに、回収すべき願い星には、不思議なことに多くのアダルトな内容を含む願いが込められており、主人公たちはその実現のために様々な出来事に巻き込まれることになります。願いを叶える過程で、主人公たちの関係性やそれぞれの秘密が明らかになっていきます。

登場人物

天野陽介: 本作の主人公。偶然から星図盤のマスターに選ばれてしまう。日曜大工が趣味。
倉橋真朋: 陽介の右隣に住む幼なじみで年上。おとなしい性格で、大きな胸にコンプレックスを持つ。家事や日曜大工が得意だが運動は苦手。新聞部に所属し、部長によくからかわれる。
橘ひびき: 陽介の左隣に住む幼なじみで年下。学園では模範的な学生だが、自宅ではがさつな一面を見せる。明るくさっぱりした性格。飼い猫のふくすけにはあまり懐かれていない。
ファルミリア=イストナーク（ファム）: 願い星を追って「遠い国」から来た少女。自称理論派だが、論理には飛躍が多い。真朋の家に居候する。かつてシルヴィと婚約していたが解消し、エステリートと婚約する。
シルヴィア=シルヴァーナ（シルビィ）: ファムと共に「遠い国」から来た少女。見た目は幼いが落ち着いた言動。和菓子と日本茶を好む。ひびきの家に居候。男女問わず口説く癖があり、願い星にアダルトな願いを込めた張本人。
桜庭綾瀬: 学園の学生会会長。容姿端麗、成績優秀な才女。ひびきをライバル視する。
佐和文香: 新聞部の部長。トラブルメーカーで、学園の裏情報を握る影の支配者とも。セクハラ好きで、特に真朋をからかうことを楽しむ。
上月千穂: 学生会会計。無口無表情で物怖じしない。

用語解説

「遠い国」: ファムとシルヴィの故郷。魔法が生活に浸透しており、女性が圧倒的に多い社会構造を持つ。陽介たちの時代から数千年先の未来に存在する。
星図盤: 願い星を管理・充填するための魔法の装置。
願い星: 様々な願いが込められた魔法の星。対象にその願いに応じた行動を強制する力を持つ。

お願いお星さま