かいわれっ!

『かいわれっ!』/『マイくろ 〜オレガワタシデボクガアタシデ〜』：詳細解説

2006年7月28日、FlyingShineより発売されたPC用アダルトゲーム『かいわれっ!』。その後、2009年10月30日には、CGを一新し『マイくろ 〜オレガワタシデボクガアタシデ〜』としてabeliaよりリニューアル発売されました。本作は、高校生の4人組が巻き込まれる精神入れ替わりと、それぞれの心の葛藤を繊細に描いた作品です。

ストーリー：入れ替わる運命

國枝優真、堀添凛、柴森海音、越中忠文の4人は仲の良い友人グループ。凛の提案で、廃部寸前の園芸部の教室を占拠し、「コミュニケーション研究会」を設立します。ある日、ふとした会話から「入れ替わるなら誰になりたい？」という話題になり、軽い気持ちで希望を語り合った瞬間、大きな衝撃が彼らを襲います。

その衝撃の後、彼らは恐ろしい事実を突きつけられます。4人の精神が、互いの身体に入れ替わってしまったのです。元の身体に戻る方法を探る彼らの前に、転校生・百合川真冬が現れます。真冬は、入れ替わり現象を予期していたかのように、彼らの前に現れ、複雑な物語を更に深めていきます。

登場人物：それぞれの心の闇

國枝優真：本作の主人公。真面目で明るい性格から、誰からも好かれるムードメーカーです。幼馴染である凛とは、口喧嘩も多いものの仲が良い関係です。

堀添凛：面倒見がよく、前向きで快活な少女ですが、クラスでは無視されるなど、いじめを受けています。その苦しみを誰にも相談できず、入れ替わり現象を通して、自身の鬱憤を晴らそうとする一面も持ち合わせています。

柴森海音：極度の人見知りで寡黙な性格。凛を慕っており、常に彼女と行動を共にします。過去にいじめを受けていた経験から、凛に強い恩義を感じながらも、自身のせいで凛が標的にされることを恐れています。

越中忠文：良家の出身で礼儀正しく成績優秀。クールな性格ですが、友人思いで信頼されています。しかし、彼は性同一性障害を抱えており、入れ替わりを通して、自身のアイデンティティと向き合うことになります。双子で生まれるはずでしたが、姉は死産だったという過去も彼の心に影を落としています。

百合川真冬：優真たちのクラスに転入してきた謎めいた少女。幼少期の辛い経験から精神的に不安定な状態であり、自身の身体を魂の宿る器として提供できる人物を探しています。

若田部葉子：優真たちの担任教師で、コミュニケーション研究会の顧問。豊富な経験と知識で生徒たちをサポートしますが、過去に同様の入れ替わり現象を経験しており、その経験から優真たちに忠告を与えます。

桃井恵子：優真たちのクラスメイトで生徒会役員。辛辣な言動でコミュニケーション研究会を快く思っていません。

沢口美晴：乙女チックで夢見がちな少女。桃井の親友で、天然な性格で周囲を和ませる反面、時に引かれてしまうこともあります。

スタッフ

『かいわれっ!』

企画・プロデューサー：黒川孝幸
シナリオ：神堂劾
原画・キャラクターデザイン：鮭

『マイくろ 〜オレガワタシデボクガアタシデ〜』

原画：YUKIRIN

音楽

両作品で共通の楽曲を使用。

主題歌：「reflection=relation」- Marica
挿入歌：「ボクとキミのこと」- 月子
* エンディングテーマ：「ロマンチスタ」- Rita

まとめ

『かいわれっ!』と『マイくろ 〜オレガワタシデボクガアタシデ〜』は、精神入れ替わりという奇想天外な設定と、登場人物たちの心の機微を丁寧に描いた、奥深い物語です。それぞれのキャラクターの抱える過去や葛藤、そして彼らを取り巻く環境が複雑に絡み合い、読者を引き込む魅力的な作品となっています。

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