かがくいひろし

かがくいひろし（1955年2月6日 - 2009年9月28日）は、日本の絵本作家です。東京都出身で、本名は加岳井 広。

東京学芸大学教育学部を卒業後、美術教員として教鞭を執りながら、人形劇や造形作品の発表を行っていました。2003年に第13回紙わざ大賞展で準大賞、2004年には講談社絵本新人賞で佳作を受賞（二度目）するなど、その才能は早くから認められていました。

2005年、『おもちのきもち』で第27回講談社絵本新人賞を受賞し、絵本作家としてデビュー。2009年に54歳という若さですい臓がんで急逝するまでの短い期間に、『だるまさん』シリーズをはじめとする数多くの作品を発表しました。

作品の特徴

かがくいひろしの作品は、ユーモラスで親しみやすい絵柄と、リズミカルでユニークな擬音表現が特徴です。子供たちの日常や身近なものをモチーフにした作品が多く、子供たちの心を掴むと同時に、大人も楽しめる奥深さを持っています。

代表作である『だるまさん』シリーズは、「だるまさんが」 「だるまさんの」「だるまさんと」の三部作からなり、累計発行部数は552万部を超える大ベストセラーとなっています。だるまさんのコミカルな動きと、子供たちが真似しやすい擬音で、読み聞かせにも最適な作品です。

主な作品

『おもちのきもち』（講談社、2005年）
『もくもくやかん』（講談社、2007年）
『ふしぎなでまえ』（講談社、2008年）
『はっきよい畑場所』（講談社、2008年）
『みみかきめいじん』（講談社、2009年）
『おむすびさんちのたうえのひ』（PHP、2007年）
『なつのおとずれ』（PHP、2008年）
『だるまさんが』（ブロンズ新社、2007年）
『だるまさんの』（ブロンズ新社、2008年）
『だるまさんと』（ブロンズ新社、2008年）
『おしくらまんじゅう』（ブロンズ新社、2009年）
『おふとんかけたら』（ブロンズ新社、2009年）
『まくらのせんにん　さんぽみちの巻』（佼成出版社、2009年）
『まくらのせんにん　そこのあなたの巻』（佼成出版社、2009年）
『がまんのケーキ』（教育画劇、2009年）
『うめじいのたんじょうび』（講談社、2016年）

没後の活動

2023年には、没後初の大規模回顧展「かがくいひろしの世界展」が開催され、全国を巡回しました。出版された絵本16作の原画のほか、制作段階や構想中だっただるまさんシリーズの続編など、未完の下絵なども展示され、多くのファンを魅了しました。また、NHK Eテレの日曜美術館でドキュメンタリー番組「だるまさんの魔法 絵本作家かがくいひろし」が放送され、改めてその作品の魅力が紹介されました。

かがくいひろしの作品は、今もなお多くの子供たちに読み継がれ、愛され続けています。

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