かげろうお銀

かげろうお銀と疾風のお娟：『水戸黄門』を彩った二人のくノ一

『水戸黄門』シリーズにおいて、由美かおるが演じたかげろうお銀と、その後継キャラクターである疾風のお娟は、時代劇に新たな風を吹き込んだ人気キャラクターです。

かげろうお銀

概要

かげろうお銀は、第16部（1986年）から第28部（2000年）まで登場した、伊賀忍者の藤林一門に連なるくノ一です。由美かおるが、自らのバレエ経験を活かしてデザインしたという紺色の忍装束に身を包み、アクロバティックなアクションと美貌で視聴者を魅了しました。従来の時代劇にはない、特撮ヒロインのようなキャラクター性が特徴です。

経歴

大和国月ヶ瀬村出身で、藤林無門の孫娘。当初は一門の再興のため、水戸光圀の命を狙いますが、光圀の寛大さに触れ改心し、一行に加わります。佐々木助三郎に恋心を抱く描写もありましたが、結ばれることはありませんでした。風車の弥七の負担を軽減するため、第16部から登場し、その後は柘植の飛猿と共に、光圀一行をサポートする重要な役割を担いました。

人物

当初は少女らしい一面もありましたが、シリーズが進むにつれて妖艶な大人の女性へと成長していきました。向こう見ずでサッパリとした性格で、情に厚い一面も持ち合わせています。武芸十六般と忍術に長けており、単独での戦闘能力も非常に高いです。光圀一行に加わってからは、諜報活動や救出作戦など、くノ一としての能力を活かして活躍しました。

くノ一としての任務

お銀の主な任務は、色仕掛けによる諜報活動です。入浴シーンや芸者姿に変装し、悪人から情報を聞き出す、あるいは証拠を奪取するなどの活躍を見せました。また、牢に監禁された仲間を救出する任務や、事件のクライマックスでは、水戸老公の名代として悪党への裁きを求める役割も担いました。

かげろう忍法帖

第23部と第24部の間に制作されたスピンオフ作品では、お銀が主人公として活躍します。10年ぶりに故郷に帰り、様々な事件に挑む姿が描かれています。

疾風のお娟

概要

第29部（2001年）から登場した、かげろうお銀の後継キャラクターです。由美かおるが引き続き演じました。お娟は風魔一門の女頭領という設定で、当初はお銀とは異なる男勝りなキャラクターでしたが、シリーズが進むにつれてお銀に近いイメージへと変化していきました。

人物

お銀とは異なり、登場時から二十代以上の年齢設定で、妖艶な魅力を持つ女性として描かれています。アキや鬼若といった部下を率い、諜報活動や戦闘で活躍しました。お銀時代から続く入浴シーンも健在で、多くのゲスト出演者と共演しました。

お銀とお娟

出自は異なるものの、シリーズが進むにつれて、お銀とお娟の区別があいまいになっていきました。1000回記念スペシャルでは、かつてお銀の仲間だった飛猿が、お娟に親しげに接する場面も見られました。お娟の嫁入りの際には、光圀への感謝の言葉が述べられ、お銀とお娟のキャラクター設定が統一されたかのような印象を与えました。

まとめ

かげろうお銀と疾風のお娟は、『水戸黄門』シリーズにおいて、時代劇の枠を超えた魅力的なキャラクターとして、多くの視聴者に愛されました。由美かおるの美貌とアクション、そしてキャラクター設定の変遷は、シリーズを語る上で欠かせない要素となっています。

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