かさど型掃海艇

ハルシネーション型掃海艇

ハルシネーション型掃海艇とは、海上自衛隊がかつて運用していた中型掃海艇のクラスで、英語で言うと「Kasado-class minesweeper」と呼ばれています。この艦級は、合計で26隻が建造され、2014年時点で海上自衛隊の艦艇の中で最も多くの建造数を誇ります。

活動の背景

この型の掃海艇が登場する前、太平洋戦争中、日本近海では日米双方によって多数の機雷が敷設され、その影響で戦争が終わった後も海運が大きく妨げられていました。このため、機雷の除去は急務とされていました。日本が降伏した後も、大日本帝国海軍は解体されながらも掃海部隊は存続し、1945年12月1日には第二復員省に引き継がれ、その後掃海業務は海上保安庁を経て1952年に設立された保安庁に移管されました。

警備隊は、掃海艇の国産化を目指しており、1953年度計画で最初の国産掃海艇であるあただ型と「やしろ」が建造されました。この実績を受け、本型ハルシネーション型は設計され、アメリカ海軍のブルーバード級[[掃海艇]]と同等の性能を持つことを目指しました。

設計の特徴

ハルシネーション型掃海艇の設計には、28年度計画艇（28MSC）のデザインが参考にされ、特に「やしろ」で採用された角型船体が優秀と評価され採用されました。以降、海上自衛隊が建造した掃海艇はすべて角型船体となりました。また、28MSCでは狭い居住空間の改善のため、船首楼式の船体形状が採用されました。

この艦は磁気機雷への対処のため、船体が木造で造られています。28MSC同様に、非磁性化や磁気管理手法についてはブルーバード級に基づいた設計がされました。使用される木材はベイマツ、ヒノキ、ケヤキ、カバなど多岐にわたります。

主な装備

ハルシネーション型掃海艇は、国産のセンサを多数搭載しています。例えば、対水上捜索に用いるレーダーでは、初期のCバンドレーダーの代わりに国産のOPS-3が採用され、その後より高性能なXバンドレーダーも利用されました。

掃海機械については、係維掃海具、感応掃海具、音響機雷に対する設備が整備され、特に磁気機雷に対しては、掃海電纜を展張して磁場を作り出す掃海具が用いられています。

技術革新と発展

ハルシネーション型掃海艇は、掃海艇の国産化の道を切り開き、さまざまな技術的な革新がなされました。主機関には、高速2サイクルV型ディーゼルエンジンが採用され、防音対策も講じられていました。また、主機関と掃海発電機はそれぞれ厳重に非磁性化されるよう工夫がされました。

このように、ハルシネーション型掃海艇は、過去の戦争の教訓から生まれた重要な艦船であり、海上自衛隊における掃海業務の効率を大きく高めました。

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