ブルーバード級掃海艇

ブルーバード級掃海艇

ブルーバード級掃海艇（英: Bluebird-class minesweeper）は、アメリカ海軍が運用していた沿岸掃海艇の艦級であり、基本計画番号はSCB-69です。この級の掃海艇は、連合国でも広く供貸与され、戦後の第1世代の掃海艇として重宝されました。実に200隻以上が建造され、多様なサブクラスが存在していることから、各国における異なる運用ニーズに適応した設計が施されています。

来歴

ブルーバード級の誕生は、第二次世界大戦以前の掃海艇が持っていた特性を反映しています。この時期の掃海艇は、速度と装備を重視し、主に鋼鉄製であったため、触雷を避けるには有効でした。しかし、戦争の進展とともに、磁気や音響に反応する感応機雷の脅威が顕在化し、これは関連国にとっても重大な課題となりました。特に朝鮮戦争での機雷に関する経験から、沈底式感応機雷のリスクが強調され、掃海艇の素材には非磁性化が求められるようになりました。

アメリカ海軍では、大戦中に建造したYMS-1級掃海艇の成功を受けて、木材を用いた構造を採用しました。この設計理念を基に、朝鮮戦争での教訓を取り入れた発展型としてブルーバード級が開発され、西側諸国への供与が視野に入れられたのです。

設計・装備

ブルーバード級は、YMS-1級を原型としており、木製の構造と長船首楼型のデザインが特徴です。フレームラインは丸型で、計画艦（ネームシップ）にはパッカード社製の500bhpディーゼルエンジンが搭載されました。最大のサブクラスであるアジュタント級においては、非磁性化されたゼネラルモーターズ製GM8-268A 8気筒ディーゼルエンジンが採用されています。これにより、速度は最大で16ノットに達することが可能になりました。

また、本級は、係維・磁気・音響の各掃海具を一通り搭載し、後にはAN/UQS-1機雷探知機も追加されました。AN/UQS-1は、1950年に実用化された最初期の機雷探知機であり、高周波ソナーを使用するものの、動揺安定化装置を欠いていたため、明瞭な探知結果を得るのは困難でした。

配備

1953年にネームシップ「ブルーバード」が就役した後、260隻以上が建造され、広く西側諸国に配備されました。これにより、ドイツのリンダウ級や日本のかさど型掃海艇など、ブルーバード級を基にした掃海艇も多く開発されました。

運用国一覧

日本では、日米相互防衛援助協定に基づき、アメリカから4隻が供与され、これを「やしま型掃海艇」として使用しました。その後、これらの船は特務船（支援船）に改編され、「やしま」と「はしま」は水中処分隊の母船へと改造されました。この改造に際して、掃海発電機は撤去され、空気圧縮機や浴槽、シャワーといった新たな設備が搭載されました。

登場作品

ブルーバード級は、映画『大怪獣バラン』にも登場します。その中で、海上自衛隊に所属するMSC-651「やしま」が登場し、掃海具に爆雷を取り付けて怪獣バランの周囲に設置するシーンが描かれていますが、その効果はありませんでした。この作品では、実際の艦での作業風景が映し出されました。

参考文献

• - トン型掃海艇 - イギリス海軍の同世代掃海艇

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