かしも明治座

かしも明治座について

かしも明治座は、岐阜県中津川市加子母地区にある歴史的な芝居小屋です。この地域では、江戸時代から明治時代にかけて地元の住民による地芝居が盛んでした。明治座もその一つで、地域の人々による公演や、外部の劇団を招いての興行が行われてきました。

歴史

1894年（明治27年）に「共同演劇場」として舞台開きが行われました。当初は地元住民による芝居や、他地域から招いた劇団による公演が催されていました。その後、1947年（昭和22年）には大規模な修復が行われ、1972年（昭和47年）には岐阜県指定有形民俗文化財に指定されました。1973年（昭和48年）には加子母歌舞伎愛好会が設立され、翌年には加子母歌舞伎保存会へと改称し、定期公演を開始しました。また、1997年（平成9年）には引き幕が中津川市指定有形民俗文化財に指定されています。1998年（平成10年）からは明治座クラシックコンサートが毎年開催され、2006年（平成18年）には十八代中村勘三郎襲名披露公演が行われました。2015年（平成27年）には、屋根が創建当時の榑葺屋根に復元されました。

建築

間口19.6メートル、奥行22.21メートルの木造二階建ての建物で、白壁の切妻造りです。舞台の奥行は7.85メートルあり、廻り舞台、仮花道、すっぽん、奈落といった本格的な舞台機構を備えています。客席は1階と2階に分かれており、2階は座敷席となっています。この劇場形式は、農村舞台の特徴をよく表しています。

特色

太平洋戦争中には公演が途絶えましたが、現在は加子母歌舞伎保存会による公演が毎年9月に行われています。その他、様々な芝居やイベントにも利用され、普段は一般に無料開放されています。開館時には、明治座活用委員会の「明治座案内人」が館内を案内しています。入場料は無料ですが、維持修復のための基金を一口300円で募っており、桧の割り符を購入することで寄付に協力できます。寄付者の名前が書かれた割り符は、明治座の壁に飾られています。また、加子母地区の広報誌「かしも通信」では、毎月「明治座かわら版」コーナーで情報が発信されています。

現地情報

所在地は、岐阜県中津川市加子母4793-2です。アクセスは、濃飛バス恵北線「明治座前」バス停から徒歩約3分です。

岐阜県の他の芝居小屋

岐阜県内には、他にも多くの歴史ある芝居小屋が残っています。主なものとして、下呂市の鳳凰座や白雲座、加茂郡白川町の黒川の東座、中津川市の蛭子座や常盤座、恵那市の五毛座や熊野座、瑞浪市の相生座、各務原市の村国座や皆楽座などが挙げられます。

まとめ

かしも明治座は、地域の人々に愛され続けている貴重な文化遺産です。その歴史や建築、そして現在も行われている活動を通じて、日本の伝統文化を体験できる場所として、多くの人々に訪れていただきたい場所です。

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