かたつむりサンバ

おニャン子クラブ「かたつむりサンバ」：詳細解説

1987年、日本のアイドルシーンを席巻したおニャン子クラブ。その8枚目のシングル「かたつむりサンバ」は、1987年5月21日にキャニオン・レコード（現ポニーキャニオン）から発売されました。本楽曲は、アイドルグループとしての勢いだけでなく、複雑な歌唱パートやチャートにおける特異な記録など、多くの興味深い側面を持つ楽曲です。

歌唱メンバーとパフォーマンス

A面「かたつむりサンバ」では、富川春美、工藤静香、吉見美津子、杉浦美雪がメインボーカルを務めました。特に、工藤静香によるBメロのソロパートは楽曲の大きな特徴の一つです。2コーラス目では吉見美津子も同様のソロパートを担当していますが、テレビ放送とレコード収録では歌唱パートのアレンジが異なっています。レコード版では、杉浦、4人によるフロント、工藤ソロ、サビ、富川メイン、吉見ソロ、サビ、4人フロントという構成なのに対し、テレビ版では杉浦、富川、工藤ソロ、サビ、吉見メインという構成になっていました。

B面曲「めしべとおしべ」も『夕やけニャンニャン』（フジテレビ系）で披露されました。おニャン子クラブのシングルでB面曲が番組で歌われたのはデビュー曲以来のことでした。こちらは永田ルリ子、白石麻子、貝瀬典子、我妻佳代の4人がフロントボーカルを務めました。

さらに、1987年6月15日放送の『夕やけニャンニャン』では、解散宣言後に「かたつむりサンバ」が歌われましたが、この際、フロントメンバーは吉見美津子と杉浦美雪の2名のみで、渡辺満里奈が臨時でフロントメンバーに加わり、工藤静香のソロパートを担当するなど、特別なパフォーマンスとなりました。

チャート成績と記録

「かたつむりサンバ」はオリコンチャートで1位を獲得しましたが、2005年にDEF.DIVA「好きすぎて バカみたい」が発売されるまで、オリコン1位シングルの最低売上枚数（約7.2万枚）という記録を持っていました。また、初動週間枚数41720枚での首位達成も、28日後にチャートインした荻野目洋子の「さよならの果実たち」が発売されるまで、最少枚数記録として長く記憶されました。これらの記録は、当時の音楽市場の状況や、おニャン子クラブというグループの特殊な人気構造を反映していると言えるでしょう。

楽曲情報と収録作品

作詞は秋元康、作曲・編曲は後藤次利が担当。シングルレコードは7A 0718として発売され、当時の定価は700円でした。その後、数多くのベストアルバムやコンプリートアルバムに収録されており、現在でも聴くことができます。主な収録作品として、『おニャン子クラブ ベスト』、『おニャン子クラブA面コレクション Vol.5』、『おニャン子クラブB面コレクション Vol.5』、『MYこれ!クション [[おニャン子クラブBEST]]』、「おニャン子クラブ」SINGLESコンプリートなどがあります。

まとめ

「かたつむりサンバ」は、おニャン子クラブの楽曲の中でも、歌唱メンバーの複雑さ、テレビ放送とレコード収録の違い、そしてチャート記録の特異性など、多くの興味深い点を持つ楽曲です。楽曲そのものの魅力に加え、当時のアイドルシーンや音楽市場の状況を反映した、多角的に楽しめる一曲と言えるでしょう。

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