かつら枝代

かつら枝代の生い立ちとキャリア

かつら枝代（本名：前田志代子）は、1946年に和歌山県の日高郡南部川村（現みなべ町）で生まれました。彼女は7人兄弟の4番目として育ち、家庭は桶屋を営んでいました。父親の影響で浪曲に触れ、1961年に中学校を卒業した後、大阪に進出し、浪曲師の元で修行を始めます。しかし、その修行は本業の薬局も手伝わなければならず、病気の影響で2年後に故郷に戻ることとなりました。

1964年、枝代は女性浪曲漫才トリオ「ジョウサンズ」に参加します。このトリオのメインメンバーであった日吉川秋水嬢に入門し、世話をしながらアコーディオンを学びます。そして1965年には「ジョウサンズ」に日吉川良子の名義でアコーディオン担当として参加しました。

1970年の10月、彼女は2代目桂枝雀（当時は桂小米）と結婚しました。この結婚は出会ってから約1年という短期間でのものでした。結婚後も「ジョウサンズ」の活動を続けていましたが、妊娠が判明し、1971年の8月には引退。1972年には長男を出産しました。

結婚後は家庭に入ってから、寄席三味線の池中スエに師事し、スエの没後は桑原ふみ子に学びます。夫の枝雀と共に、お囃子の演奏に専念しました。結婚の際に彼女は、夫から「私の奥さんにはならなくてもいいから、噺家の奥さんになってくれ」と通告されたため、三味線を学ぶことにしました。この言葉は、夫が自らの活動を支えてほしいと願っていたことを示しています。

枝雀の死後も、米朝一門の立三味線としてお囃子の中心に活動を続けましたが、2000年の桂米團治独演会を最後に第一線から退きました。その後、長い間マイクを持たずに静かな生活を送っていましたが、2024年5月19日には彦八まつりにゲスト出演する予定です。彼女の活動は、上方落語の伝統における重要な位置を占めており、彼女の音楽的貢献は多大なものがあります。

かつら枝代の家族

彼女の家庭は数々の音楽家を輩出しています。長男の桂りょうばは落語家として活動し、次男のCUTTはミュージシャンとして活躍しています。このように、枝代は自身の音楽的な道筋を維持しつつ、家族と共に多様な表現の場を育てています。彼女は音楽と家庭が調和した生活を送り、その業績は今後も語り継がれていくことでしょう。

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