かよわきエナジー

GOING UNDER GROUNDのアルバム『かよわきエナジー』は、2001年10月24日にビクターエンタテインメントのHAPPYHOUSEレーベルから発売されました。このアルバムは、彼らがメジャーデビューを果たしてから初めてリリースしたオリジナルアルバムとして、特別な意味を持っています。

概要

インディーズ時代から彼らを支えてきたプロデューサー、上田ケンジ氏の元を一旦離れ、セルフプロデュースに挑戦した作品です（「アロー」のみ共同プロデュース）。ジャケットのイラストは、宮尾和孝氏が手掛けました。アルバムの発売後には、「GOING UNDER GROUND TOUR “ORETABI 2001”」と題したリリースツアーが全7公演開催され、当時のドキュメント映像は公式YouTubeチャンネルで公開されています。また、発売20周年を記念したライブ「"かよわきエナジー" 20th anniversary LIVE!」が渋谷WWWで行われ、多くのファンが祝福しました。

制作背景

本作は、インディーズ時代に制作した楽曲をほぼ全てリリースし終えた後、ストック曲がない状態から制作が開始されました。平塚のスタジオにメンバーが集まり、楽曲制作合宿を行い、セッションを通じて生まれた曲を組み立てて完成に至りました。ボーカルの松本素生氏は、コンセプトを立てて制作したわけではないと語っています。

松本氏は、本作を「初期衝動の塊」と評しており、作品には「自分たちの匂い」とも呼べるものが強く出ていると述べています。メジャー初のアルバムである本作には、むせかえるようなエネルギーが詰め込まれていると回顧しています。

評価

2018年11月22日に放送されたテレビ朝日系「アメトーーク!」の〈一人遊び大好き芸人〉の回では、GOING UNDER GROUNDのメンバーと親交のある劇団ひとりが、自分の世界に入り込むために「かよわきエナジー～Take Me Home, Country Roads」を聞いている様子が紹介されました。

収録曲について

アルバムには、インストゥルメンタルの「ある日、忘れものをとりに」から始まり、1stシングル「グラフティー (album mix)」、2ndシングル「センチメント・エキスプレス」などが収録されています。「グラフティー (album mix)」は、シングルとは異なるミックスが施されており、ベストアルバムにも収録されています。

「かよわきエナジー～Take Me Home, Country Roads」は、松本氏がアニメ映画「耳をすませば」に感銘を受けて制作した楽曲で、同映画の主題歌の原曲である「Take Me Home, Country Roads」のメロディーを組み込んで構成されています。当時、上京して慣れない東京暮らしに疲れていた松本氏にとって、故郷である桶川市をモチーフにした楽曲であり、MVも制作されています。

セルフカバー

発売から17年後の2018年には、バンドのCDデビュー20周年を記念して、本作をアコースティックアレンジ主体でリアレンジしたセルフカバーアルバム『かよわきエナジー 2018〜forevergreen〜』が発売され、記念ライブも開催されました。

『かよわきエナジー』は、GOING UNDER GROUNDの初期衝動と音楽的な実験精神が詰まった、ファン必聴のアルバムと言えるでしょう。

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