がんばりやの機関車

『がんばりやの機関車（汽車のえほん18）』の詳細

『がんばりやの機関車（汽車のえほん18）』（原題: Stepney the "Bluebell" Engine）は、1963年にイギリスで発行されたウィルバート・オードリー牧師による著作です。この本は、「汽車のえほん」シリーズの第18巻として、特に低学年の児童を対象にした内容となっています。シリーズは1945年から毎年刊行され続けており、著者はユニークなキャラクターたちを描いています。

この巻には、1冊に4つの短編作品が収められていますが、挿絵は前任のジョン・ケニーによるものからガンバー＆ピーター・エドワーズ夫妻に引き継がれ、両者の作風が融合されています。前任者ケニーの影響を受けた画風で描かれた作品は、読者に親しみやすさを残しています。最初に日本語訳が出版されたのは1980年で、長い間親しまれてきましたが、2004年頃に絶版となりました。しかし、2010年にはミニ新装版として再び登場しています。

作品の背景

『がんばりやの機関車』は、イギリス国鉄が無煙化運動を進める中、蒸気機関車が淘汰される現状を背景にしています。オードリー牧師は、保存鉄道の活動に積極的に参加しており、本書はその活動の一環として執筆されました。物語では、実在の蒸気機関車であるステップニーが舞台となり、ブルーベル保存鉄道が紹介されています。

収録作品

本書に収められた4篇はそれぞれ異なるストーリーを展開し、読者に楽しい旅を提供しています。

• - ブルーベル鉄道のステップニー（Bluebells of England）
• - ステップニー、りんじ列車をひく（Stepney's Special）
• - ステップニーとクリケットのしあい（Train Stops Play）
• - ディーゼル機関車とやまたかぼう（Bowled Out）

主なキャラクター

物語には、トーマス、エドワード、ヘンリー、ゴードン、ジェームス、パーシー、トビー、ダック、そしてドナルドとダグラスといった多彩なキャラクターが登場します。特にパーシーは、当時のイギリス国鉄の無煙化計画に対する批判を象徴するキャラクターに描かれています。

新たに登場するキャラクター、ステップニーは、ブルーベル鉄道に実在した車両をモデルにしており、動態保存された初の蒸気機関車として注目されています。

また、ディーゼル機関車もこの巻に登場し、無煙化を主張する悪役として描かれています。これは当時の鉄道の歴史的背景を反映した表現でもあります。

挿絵とデザイン

挿絵は、ピーター・エドワーズによって手がけられており、彼は実際の機関車を研究し、細部にわたって精巧に描かれています。その結果、読者は生き生きとした世界観に引き込まれます。特に、登場する機関車の絵柄は、実在の車両を意識しつつも独自の魅力を持っています。

まとめ

『がんばりやの機関車』は、子どもたちに勇気や友情の大切さを伝えるために作られた作品です。その温かいストーリーと魅力的なキャラクターたちは、世代を超えて愛され続けており、汽車のえほんシリーズの中でも特に人気のある巻となっています。

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