きさらぎ駅 (映画)

映画『きさらぎ駅』

2022年6月3日に公開された日本のホラー映画『きさらぎ駅』は、永江二朗監督がメガホンを取り、恒松祐里が映画初主演を務めた作品です。この映画は、インターネット掲示板「2ちゃんねる」発祥の都市伝説「きさらぎ駅」を題材にしており、観客を未知の世界へと誘います。

物語の舞台は、存在しないはずの異世界駅「きさらぎ駅」。主人公の大学生・堤春奈が、卒業論文のテーマに「神隠し」を選び、かつて「きさらぎ駅」を体験したという葉山純子という女性を探し出すところから始まります。純子から話を聞いた春奈は、彼女の体験をなぞることで、自らも「きさらぎ駅」へと足を踏み入れてしまいます。

映画の特徴の一つとして、一人称視点の映像が多用されている点が挙げられます。観客は、まるで自分自身が「きさらぎ駅」を訪れたかのような疑似体験を味わうことができ、その臨場感と恐怖感は格別です。

都市伝説「きさらぎ駅」

「きさらぎ駅」の都市伝説は、2004年に「はすみ」と名乗る女性が「2ちゃんねる」に書き込みを行ったことから始まりました。彼女は、新浜松駅から乗車した電車が停車せず、見知らぬ無人駅「きさらぎ駅」に到着したと報告しました。その後、彼女は消息不明となり、この出来事が「現代版神隠し」としてネット上で大きな話題となりました。この都市伝説は、アニメや漫画など様々な形で語り継がれ、十数年経った今でも多くの人々の関心を集めています。

あらすじ

民俗学を専攻する大学生の堤春奈は、卒業論文のテーマとして「神隠し」を選び、過去に異世界に行ったという葉山純子を探し当てます。純子から話を聞いた春奈は、純子と同じルートを辿り「きさらぎ駅」にたどり着きます。そこには、純子と共に「きさらぎ駅」に降り立った5人（松井美紀、飯田大輔、岸翔太、花村貴史、宮崎明日香）がいました。しかし、彼らは以前の記憶を失っており、春奈は純子から聞いた話を元に彼らを導こうとします。

物語は、春奈たちが「きさらぎ駅」からの脱出を試みる過程を描いています。道中では、恐ろしい怪異に襲われ、仲間たちが次々と犠牲になっていきます。最終的に、春奈と明日香は「光の扉」にたどり着きますが、元の世界に戻れるのは明日香だけでした。その後、純子の姪である葉山凛も「きさらぎ駅」へと向かおうとし、別の4人と共に、明日香の代わりに春奈が乗車している異世界行きの電車に遭遇します。

キャスト

堤春奈 - 恒松祐里
本作の主人公。民俗学を専攻する大学生で、「きさらぎ駅」の謎を追う。
葉山純子 - 佐藤江梨子
過去に「きさらぎ駅」を経験した女性。春奈に自身の体験を語る。
宮崎明日香 - 本田望結
純子の教え子である女子高生。「きさらぎ駅」で春奈と行動を共にする。
松井美紀 - 莉子
ギャルのグループの一員。
飯田大輔 - 寺坂頼我
おとなしい性格の男性。
岸翔太 - 木原瑠生
乱暴な性格の男性。
花村貴史 - 芹澤興人
サラリーマン。
葉山凛 - 瀧七海
純子の姪。春奈と純子の会話を聞き、自らも「きさらぎ駅」へ行こうとする。

映画の舞台

映画は、主に以下の場所で撮影が行われました。

静岡県浜松市
新浜松駅：物語の起点となる場所。
遠州鉄道鉄道線：異世界への入口となる電車内。
長野県上田市
旧宣教師館：「光の扉」が出現する洋館。
八木沢駅：「きさらぎ駅」として撮影された駅。
上田電鉄別所線：異世界を走る電車内。
東山遊歩道：怪異から逃げるシーン。
塩野神社：元の世界へ通じる光の扉が出現する場所。
長野県長野市
戸隠牧場：純子たちが元の世界に帰還した場所。
群馬県安中市
碓氷峠廃線ウォーク：線路の上やトンネルを移動するシーン。

スタッフ

監督 - 永江二朗
脚本 - 宮本武史
主題歌 - 弌誠「通リ魔」

続編として『きさらぎ駅 Re:』が2025年初夏に公開予定です。この続編では、前作から3年後の物語が描かれます。都市伝説を基にしたホラー映画の新たな展開に、期待が高まります。

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