きたかみ (フェリー・2代)

フェリー「きたかみ」の概要

「きたかみ」は、太平洋フェリーによって運航されているフェリーで、主に仙台と苫小牧を結ぶ交通手段として活躍しています。2019年1月20日に引き渡され、1月25日に初便を運航しました。この船は、初代「きたかみ」の代替として建造され、三菱重工業下関造船所で製造されました。現在、仙台と苫小牧間を中心に多くの便が運航されています。

設計とコンセプト

「きたかみ」の設計コンセプトは「SPACE TRAVEL」であり、夜間の航海に合わせた星空の旅をテーマにしています。このテーマを反映し、船内には光を巧みに用いた演出が施されています。特に客室については、個室以外はすべてカプセル式寝台を採用し、プライバシーの確保と機能性の向上を図っています。

また、リピーターの多い航路特性に基づき、豪華さよりも利用のしやすさを重視した設計がされています。このため、スイートルームやシアターラウンジは設けられていません。さらに、船型を見直して推進性能を向上させ、バウランプを廃するなどの工夫がされています。

最先端の映像技術

船内では、パナソニック製のスポットライト型プロジェクターが11台設置されており、中央階段やプロムナード、キッズキャビンでプロジェクション映像による空間演出が行われています。この技術により、航海中の体験がより魅力的なものとなり、乗客の楽しみに繋がっています。

環境への配慮

「きたかみ」は新型の船型を採用し、従来に比べて約10%の省エネルギーを実現しています。この船は、交通エコロジー・モビリティ財団の「海上交通バリアフリー施設助成」の対象となっており、環境面でも配慮された設計がなされています。

船内設備

「きたかみ」は、7デッキと6デッキにさまざまな客室や施設を備えています。7デッキには洋室6室と和室2室からなる特等室や、1等室、B寝台、レストラン「グリーンプラネット」、ロビー、展望通路「プロムナード」があります。「グリーンプラネット」では、地球をイメージした木漏れ日に似た照明が使用されており、独特の雰囲気を醸し出しています。

6デッキには特等室（和室）、多様な1等室、エコノミーシングル、バリアフリー室、展望大浴場があります。この浴場では「天空」をテーマにした内装で、雲をモチーフにした浴槽が設置されています。また、キッズエリアも充実していて、子供たちが楽しめるように設計されています。

車両搭載能力

「きたかみ」は、非常に多くの車両を搭載することができます。デッキ5にはトラック甲板があり、最大で80台の12mトラックと2台の8.5mトラックを運ぶことができます。他にも、乗用車甲板には52台から48台までの乗用車を搭載できる空間が確保されています。

このように「きたかみ」は、利便性や快適性、環境への配慮などを兼ね備えた先進的なフェリーとして、今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

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