きみの声をとどけたい

映画『きみの声をとどけたい』

概要

『きみの声をとどけたい』（略称『キミコエ』）は、2017年8月に公開された日本の長編アニメーション映画で、マッドハウスが制作を手掛けた作品です。この映画のキャッチコピーは「コトダマって、あるんだよ」と「本気のコトバは、本気のネガイは、いつか現実になるんだよ。」であり、まさにこの映画が伝えたいメッセージを体現しています。また、2018年には文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門で推薦作品に選定されており、その評価の高さが伺えます。

本作は、「キミコエプロジェクト」という新たな声優育成の取り組みと連動しており、オーディションを通過した新人声優たちが主要キャストとして参加しています。主人公の声を担当したなぎさをはじめ、6人のキャラクターには実際に新人声優が起用され、彼女たちのデビュー作となりました。音楽の担当は彼女たちが組んだユニット「NOW ON AIR」が行い、作品の雰囲気を彩ります。

あらすじ

物語は神奈川県の海辺の町、日ノ坂町を舞台に、行合なぎさという高校2年生の女子が主人公です。なぎさは幼馴染のかえでと雫と共に神奈川県立日ノ坂高校に通いながら、ラクロス部に所属しています。彼女たちは同じ高校の仲間でありながら、複雑な思いを抱える友人関係を築いています。特に、かえでは同じラクロス部の浜須賀夕をライバル視しており、関係は険悪です。なぎさは幼いころから「コトダマ」という言葉の力を信じており、言葉には魂が宿っていると信じています。過去の経験から、悪いことを言うことで自分に不幸が返ってくると気づいて以来、彼女は言葉には注意を払うようになりました。

そんなある日、浜須賀夕と再会したことをきっかけに、なぎさは自らの信じる「コトダマ」の存在を込めた言葉を発し続けます。その後、行合家の近くには廃屋となった喫茶「アクアマリン」があり、そこにはかつてのラジオ局の機材やレコードが残されています。偶然にも、なぎさはその場所を見つけ、自らラジオDJとしての夢を追いかけることに。

そのラジオ放送を聴いた女子高生の矢沢紫音は、かつてその喫茶店を経営していたDJの娘でした。彼女の母である朱音が長い昏睡から目覚めるきっかけを物語の中心に置き、なぎさたちはラジオ復活プロジェクトを企画します。このプロジェクトは、なぎさと彼女の友人たちが絆を深めながら成長していく様子や、多くの人々と共鳴する絆を描いています。

登場人物

主要な登場人物たちは、なぎさの幼馴染であるかえでと雫、そしてライバルの夕や新しい友人あやめ、乙葉、紫音など多彩です。それぞれのキャラクターは一つの「コトダマ」を持ち、物語を通して互いに影響し合いながら成長していく姿が描かれています。

結末

夏休み最終日、なぎさたちはアクアマリンを廃屋と知りながらも心の中でラジオを復活させようとします。ラジオ放送を通じて彼女たちの思いが住民たちに届き、感動のクライマックスへ向かいます。物語は友情、夢の力、そして言葉の持つ力が織りなす珠玉のストーリーとなっています。この映画は、コトダマの力を信じることの大切さを教えてくれる作品であり、未来へと繋がる希望をもたらします。

映画『きみの声をとどけたい』は、友情やコミュニケーションの重要性を再認識させてくれる作品であり、共鳴し合う言葉の力を信じることが人生を変えるというメッセージを強く訴えかけています。

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