きょうのできごと (漫画)

きょうのできごと

作品概要

『きょうのできごと』は、漫画家・森ゆきえによる日本の漫画作品です。主に集英社の少女漫画雑誌『りぼん』およびその増刊号である『りぼんオリジナル』、『RIBONオリジナル』にて、2005年から2007年にかけて発表されました。思春期の少女の揺れ動く恋心や友情、学園生活における様々な出来事を描いた青春ラブコメディで、読者からの支持を受け、単行本全1巻としてまとめられています。

ストーリー

物語の中心となるのは、中学二年生の西本左京です。彼女は意中の相手であるクラスメイトの小宮に勇気を出して告白しますが、その返答は予想外のものでした。小宮は「清水谷先生が好きだ」と、左京にとっては未知の人物である先生への想いを口にしたのです。この出来事をきっかけに、左京は初めて清水谷先生と対面し、その強烈な個性に触れることになります。そして、その瞬間に小宮への好意は一変し、むしろ嫌悪感を抱くようになるのでした。

失恋のショックに窓辺で涙する左京に声をかけたのが、同じ野球部に所属する芦原秀介です。秀介からの率直な告白を受けた左京は、次第に彼の魅力に惹かれ、二人は付き合うことになります。秀介と同じ高校への進学を目指すことを決意した左京ですが、自身の学力不足に悩んでいます。

当初、左京は興味を持ったチアリーダー部への入部を考えていましたが、何らかのきっかけで野球部に入部することになります。そこで彼女は、チアリーダー部に所属する此花日和と出会います。日和は秀介に好意を寄せており、左京にとって恋愛におけるライバルとして立ちはだかります。さらに物語が展開する中で、かつて左京の心を弄んだ（ように見えた）小宮も野球部に入部してきます。個性豊かな登場人物たちの想いが交錯し、左京の学園生活は賑やかに、そして波乱に満ちたものとなっていきます。

主な登場人物

西本左京（にしもと さきょう）
本作の主人公。中学二年生で野球部に所属しています。トレードマークはツインテールで、「京ちん」という愛称で親しまれています。現在は秀介と交際していますが、成績が悪く、彼と同じ高校に進学できるか不安を抱えています。物語を通して、恋や友情、進路といった様々な悩みに直面し、成長していきます。

芦原秀介（あしはら しゅうすけ）
左京と同じ中学二年生で、野球部ではピッチャーを務めています。左京の現在の彼氏。学業優秀で、左京が進学を目指す高校への進路を確実視されています。優しく誠実な性格で、左京を支える存在です。

此花日和（このはな ひより）
中学二年生で、チアリーダー部に所属しています。「ぴより」というニックネームで呼ばれており、千葉ロッテマリーンズの熱狂的なファンです。秀介に強い好意を寄せており、左京にとって恋のライバルとなります。活発で感情表現豊かなキャラクターです。

小宮（こみや）
左京が最初に告白した相手。清水谷先生のファンクラブに入っており、先生に特別な感情を抱いています。野球部に所属。巨乳好きという一面があり、男性ながら女子校への進学を希望するという独特な価値観を持っています。物語に波乱をもたらす存在です。

清水谷先生（しみずたにせんせい）
左京たちの学校の教師で、チアリーダー部の顧問を務めています。「ギャル子先生」というニックネームで呼ばれることもあります。巨乳で、常にへそを出した特徴的なファッションをしています。その奔放で個性的な言動は、生徒たちに大きなインパクトを与えます。

書誌情報

森ゆきえ 『きょうのできごと』 集英社 〈りぼんマスコットコミックス〉 全1巻

2007年8月発行
* ISBN 978-4-08-856764-8

本作は、限られた単行本1巻というボリュームの中に、思春期の少女の複雑な感情、友人や恋人との関係性、そして将来への悩みといったテーマを凝縮して描いています。個性的なキャラクターたちが織りなすコミカルな展開と、左京の瑞々しい心情描写が見どころの作品です。

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