きんきんケロンパ歌謡曲

『きんきんケロンパ歌謡曲』：視聴者参加型の歌謡番組

1972年10月2日から1974年6月24日まで、東京12チャンネル（現・テレビ東京）で放送された『きんきんケロンパ歌謡曲』は、当時としては斬新な視聴者参加型の音楽番組でした。愛川欽也（キンキン）と、後に『シャボン玉こんにちは』でも共演することになるうつみ宮土理が司会を務め、軽妙なトークと、はがきや電話で寄せられた歌謡曲のリクエストが番組を彩りました。

番組は東京12チャンネル局内のテレビスタジオから生放送され、その臨場感が人気の秘密でした。全国ネット番組ではなかったにもかかわらず、独特のスタイルと、視聴者と一体となった番組進行は大きな注目を集め、多くのファンを魅了しました。

番組の大きな特徴として、毎週当時絶大な人気を誇っていたアイドル、天地真理が出演していたことが挙げられます。真理ちゃん人形が登場するなど、番組を盛り上げる演出が施されていました。また、曲間の休憩時間には、愛川とうつみの人形が登場する人形劇コーナーが放送され、毎回話題を呼んだ、二人の人形によるディープキスシーンも大きな見どころの一つでした。

さらに、プレゼントクイズコーナーも人気を博しました。愛川独特の、鼻から息を大量に抜かした独特の発声で、一音一音大きくヒントを叫ぶスタイルは、視聴者に強烈な印象を与えました。この独特のクイズの出し方も、番組の個性的な魅力として定着していました。

放送時間は、当初は月曜19時〜19時26分でしたが、1973年4月からは30分拡大され、19時〜19時56分となりました。また、北海道テレビでも放送され、土曜17時20分〜17時45分の時間帯で放送されていました（1972年10月7日～1973年3月31日）。ただし、北海道テレビでの放送は途中打ち切りとなっています。

『きんきんケロンパ歌謡曲』は、生放送ならではのハプニングや、視聴者参加型の企画、そして愛川欽也とうつみ宮土理の絶妙なコンビネーションが織りなす、まさに時代を反映したバラエティ豊かな音楽番組でした。番組は1974年6月24日に終了しましたが、その人気は後継番組『きんレモ歌謡曲まいったタヌキの大放送』へと受け継がれていきました。愛川欽也と落合恵子が司会を務めたこの後継番組も、視聴者から多くの支持を得た番組として記憶されています。

『きんきんケロンパ歌謡曲』は、単なる音楽番組という枠を超え、視聴者と一体となって作り上げるエンターテインメントとして、多くの視聴者の記憶に深く刻まれている番組と言えるでしょう。生放送ならではの臨場感、視聴者参加型の企画、個性的な司会者、そして当時の人気アイドルの出演と、様々な要素が組み合わさり、独特の魅力を放っていた番組でした。その自由奔放で、視聴者との距離が近いスタイルは、後の音楽番組にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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