シャボン玉こんにちは

シャボン玉こんにちは：牛乳石鹸と共に歩んだ朝の顔

1975年9月29日から1981年3月27日まで、TBS系列で放送された『シャボン玉こんにちは』。この番組は、毎日放送される帯番組として、多くの視聴者に親しまれたトークバラエティ番組でした。当初は牛乳石鹸共進社の一社提供でしたが、放送後期には複数社提供へと移行しています。

軽妙なトークと歌で彩る朝のひととき

番組は生放送が基本で、話題の歌手やタレントをゲストに招き、軽妙なトークや歌で、視聴者を楽しませることをコンセプトとしていました。放送は主にTBSのスタジオからでしたが、日本各地からの生中継も企画されました。

初代司会は、愛川欽也さんとうつみ宮土理さん。愛川さんの「キンキン」、うつみさんの「ケロンパ」という愛称をコールするユニークなオープニングが印象的でした。番組セットには、日めくりカレンダーとホワイトボードが設置され、うつみさんがカレンダーの標語を紹介し、愛川さんと軽妙な掛け合いを展開する場面も見られました。ゲストは、提供クレジットと牛乳石鹸製品のCMの後に出演するという流れでした。番組中盤には、牛乳石鹸製品の生CMも放送され、中にはピンク・レディーが歌うCMソングも使用されていました。

司会交代と番組の進化

1978年には、愛川さんとうつみさんが番組共演をきっかけに結婚。しかし、同年6月には2人揃って司会を降板しました。その後、湯原昌幸さんと松岡きっこさんが司会を引き継ぎ、「シャボン玉相談室」といった視聴者参加企画も登場しました。1979年1月からは山城新伍さんと浅井栄子さん（当時TBSアナウンサー）が司会を務め、同年7月には愛川さんが太田裕美さんと組んで司会に復帰しました。愛川さんが司会を務めた時期は、「お昼のひとときシャボン玉」「夢が広がるシャボン玉」と女性司会者がコールし、最後に2人が「シャボン玉こんにちは！ハァ～イ！」と叫ぶのが恒例となりました。

スポンサー体制も変化しました。当初は牛乳石鹸共進社の単独提供でしたが、湯原・松岡司会時代から、牛乳石鹸の生CMを残しつつ、ダイエーやアース製薬などの複数社提供体制に移行していきました。番組終了と同時に、牛乳石鹸共進社はTBSの平日ランチタイム番組のスポンサーを降りるも、愛川欽也さんは後継番組『キンキン・祐子のおじゃましまーす』で司会を務めることになりました。

誕生の背景：ネットチェンジと番組改編

『シャボン玉こんにちは』誕生の背景には、1975年のネットチェンジがあります。それまでTBS系列の準基幹局だった朝日放送がNET系列に移行し、朝日放送制作の牛乳石鹸提供番組『シャボン玉プレゼント』がNET系列で放送されることになりました。TBSは、正午に放送していた『ベルトクイズQ&Q』の放送時間を短縮し、その空き時間を活用して『シャボン玉こんにちは』を新たに編成しました。その後、『ベルトクイズQ&Q』の放送時間変更に伴い、『シャボン玉こんにちは』の放送時間も変更されています。

番組を支えた人々

番組の成功には、多くのスタッフの貢献が不可欠でした。構成作家、技術スタッフ、照明、音響スタッフ、演出、プロデューサーなど、多くの専門家が番組制作に関わっていました。また、アシスタントのアパッチや、岡本章生とゲイスターズ、原信夫とシャープス&フラッツといった音楽面でのサポートも番組を盛り上げました。

朝のひとときを彩った名物番組

『シャボン玉こんにちは』は、軽妙なトーク、個性豊かな司会者、そして牛乳石鹸共進社との深い関わりを通して、多くの視聴者から愛された番組でした。時代を反映したスポンサー体制の変化や、ネットチェンジといった放送業界の変遷も背景に誕生したこの番組は、日本のテレビ史に一つの足跡を残しました。番組開始から終了までの様々な出来事や関係者、そして視聴者の記憶に刻まれた、懐かしい朝のひとときを彩る番組でした。

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