くま川鉄道KT-100形気動車

KT-100形・KT-200形気動車

くま川鉄道が1989年の開業に際して導入したのが、KT-100形とKT-200形気動車です。これらの車両は、旧国鉄湯前線の第三セクター転換に合わせて新潟鐵工所で製造されました。KT-100形は4両、KT-200形は3両が製造され、両形式合わせて7両がくま川鉄道の開業を支えました。

概要

KT-100形はセミクロスシートでトイレは設置されていません。一方、KT-200形は全席ロングシートでトイレが設置されています。しかし、両形式の基本的な構造は共通であり、ワンマン運転に対応した設計となっています。また、KT-201号車は日本宝くじ協会の寄贈による「宝くじ号」として、特別なイベント仕様が施されていました。

2014年12月までに新型車両KT-500形の導入に伴い、一部の車両は後述する「KUMA」に改造されました。それ以外の車両は営業運転を終了し、更に「KUMA」に改造された車両も2016年6月には運用を終えました。

構造

これらの車両は、新潟鐵工所製のNDC（新潟トランシス製気動車）の第一世代に当たります。車体は16m級で、両端にはバス用の折り戸が設置されています。客室窓は上段固定・下段上昇式のユニット窓が7枚（KT-200形のトイレ側は5枚）あります。前面には貫通扉があり、窓はやや傾斜したデザインです。運転室への出入りは客室から行う構造で、乗務員室扉は設けられていません。

車体塗装は、基本的には白地にピンクと水色の帯が入ったデザインですが、KT-201号車は白地に虹色の模様が施されています。室内はKT-100形が中央部に対面式の固定クロスシート、ドア付近にロングシートを配置したセミクロスシートです。KT-200形は全席ロングシートとなっています。ワンマン運転対応のため、運転室脇には運賃箱と整理券発行機が設置されていますが、運賃表示器はなく、三角運賃表が使用されています。KT-201号車は、ビデオモニターとカラオケ装置が備えられていました。冷暖房装置としては、機関直結式の冷房装置と、温水温風ファン式の暖房装置が搭載されています。

エンジンは出力250PS/1900rpmの新潟鐵工所製DMF13HSで、台車は2軸駆動の空気ばね台車を使用しています。

運用

開業当初から7両全てが湯前線で使用され、ラッシュ時には元JR九州のキハ31形であるKT311形と連結して運用されることもありました。KT-500形の導入後は、「KUMA」に改造された車両のみが運用されていましたが、2016年に全車両が運用を終了し、廃車となりました。

リニューアル車両「KUMA」への改造

KT-103号車とKT-203号車は、水戸岡鋭治氏のデザインによりリニューアルされ、2009年4月1日から「KUMA」として運行を開始しました。KT-203号車は「KUMA-1」、KT-103号車は「KUMA-2」と名付けられました。

外観は深緑色に各種ロゴが配された塗装に変わり、KUMA-1は沿線地域の自然と博物誌をテーマにした車内デザインで、木製の座席とフローリングの床、動植物のアクリル封入標本が特徴です。座席定員は32名。KUMA-2は沿線地域の見所をイメージした内装で、木製の座席はセミクロスシートのまま変更され、床はフローリングとなっています。座席定員は47名です。

2016年6月26日に営業運転を終え、廃車後はあさぎり駅の側線で静態保存されていましたが、2021年11月28日の湯前線の一部復旧に先立ち、両車両とも解体されました。

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