くれない族の反乱

『くれない族の反乱』

『くれない族の反乱』は1984年4月から6月まで、TBS系列の金曜ドラマとして放送されたテレビドラマであり、全9回にわたって放送されました。主演は大原麗子で、このドラマが金曜ドラマ初主演となります。実際には1977年に放送された『あにき』以来、約7年ぶりの出演となりました。

概要

このドラマは「…してくれない」というフレーズを軸に、責任転嫁する主婦の姿を描いています。1984年の流行語大賞の流行語部門で銀賞を獲得した「くれない族」という言葉がその中心にあります。物語は、夫が自分をみてくれない、姑が理解してくれない、子供が言うことを聞いてくれないといった多くの不満を抱える主婦が、仕事へと目覚める過程を描いています。プロデューサーの八木康夫と田村正和が組んだこの作品は、視聴者の心を掴み、始まった時から視聴率20%を記録。特に夜10時台では驚異的な数字として評価されました。

音楽面でも注目されており、主題歌「もう一度」を歌ったのは竹内まりやです。彼女は1982年に私生活において結婚・出産後、活動を一時休止していましたが、本作によって音楽活動に本格的に復帰しました。彼女の楽曲は、物語の感情を繊細に表現し、多くの視聴者に影響を与えました。

あらすじ

物語の主人公、中野和子は一戸建ての家で暮らしている専業主婦です。夫は甲府市に単身赴任しており、定期的には帰宅しますが、その際には和子に手を上げるなど、家庭内には愛情が乏しい状況です。また、気の合わない姑や言うことを聞かない娘に対しても不満を抱えていました。

友人たちが次々と外に働き始める中、和子は自身も何とか新たな道を見つけたいと思い、派遣社員としてデパートの食品売り場で働くことに決めます。最初は新しい環境に慣れず戸惑いを感じますが、同僚の律子や和子を慕う同僚の耕平と出会い、彼らと共に新しい生活を楽しむようになります。徐々に、彼女は自分自身の人生を取り戻し、働くことへの喜びを感じ始めます。

そうした中で、和子は上司の佐伯亮一に自然と惹かれていきます。彼女の心の中で芽生えつつある感情や、働くことへの意欲が描かれることで、視聴者にも共感を呼び起こしました。

キャスト

• - 中野和子：大原麗子
• - 広瀬耕平：神田正輝
• - 三宅薫：賀来千香子
• - 中野定子：千石規子
• - 佐伯亮一：田村正和

スタッフ

本作の脚本は大久保昌一良と椋露地桂子が担当し、演出には大山勝美、佐藤虔一、和田旭が参加しています。プロデューサーも大山勝美と八木康夫が務め、音楽には林哲司が起用されました。

『くれない族の反乱』は、家庭における主婦の苦悩と自立への挑戦を描いた名作として、多くの人々の記憶に残る作品となっています。

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