くノ一化粧
映画『くノ一化粧』
『くノ一化粧』は、1964年に公開された日本の映画で、東映京都撮影所によって製作され、東映が配給を行いました。本作は監督の中島貞夫によるもので、前作『くノ一忍法』に続く「くノ一シリーズ」の第2弾として位置づけられています。この作品も大ヒットとなり、その成功を受けて東映は第3弾の『忍法忠臣蔵』の製作を決定します。原作は著名な作家である山田風太郎の『外道忍法帖』で、同作は堀田眞三の映画デビュー作としても注目されています。
概要
この映画は、山本直純によるリズミカルで軽快な音楽が特徴で、前作のシリアスなトーンとは違い、コメディ要素を取り入れた演出が施されています。映画製作にあたり、監督の中島貞夫は原作者の山田風太郎から、作品の映像化に関して自由な創作を許可されました。中島は今村昌平監督の映画『赤い殺意』に感銘を受け、西村晃や春川ますみというキャストを起用し、さらに前作に出演した露口茂も再び起用しました。
あらすじ
物語は、徳川幕府の転覆を目指す浪人たちの失敗から始まります。松平伊豆守（原田甲子郎）は、部下の忍者・服部半助（多々良純）に浪人たちの資金の流れを探らせ、豊臣家に隠された財宝の存在を知ります。そして、その秘密がかつて豊臣家に仕えた天姫を含む六人のくノ一が持っている鈴に関わっていることを突き止めます。
伊豆守は、忍者の首領である天草扇千代（露口茂）やその仲間を使い、長崎へ向かい鈴を奪取しようとします。一方、鈴を守る天姫（弓恵子）や他のくノ一たちは、伊豆守の配下である忍者たちと壮絶な戦いを繰り広げます。激しい戦闘の結果、天姫と扇千代だけが生き残りますが、扇千代は天姫の術によって盲目にされてしまいます。
天姫は扇千代から奪われた鈴を取り戻すために、扇千代が愛している遊女・伽羅（春川ますみ）に憑依し、接近を試みます。しかし、天姫は次第に鈴を取り戻すことを忘れ、扇千代との情事に溺れてしまうのです。この物語は、忍者たちのサスペンスやコメディタッチの要素が交錯しながら進行し、最後には予想外の展開が待っています。
キャスト
スタッフ
本作は、娯楽性に富んだ忍者アクションとコメディの要素が融合した作品として、多くの観客に愛されました。
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