露口茂

露口 茂（つゆぐち しげる）

露口茂は、1932年4月8日に東京府東京市に生まれ、愛媛県松山市で育った日本の俳優です。2024年現在、俳優業からは引退状態にあるものの、彼の名演技は今も多くの人々に記憶されています。なお、愛称は「露さん」、または「露口ちゃん」と呼ばれています。彼は175cmの身長で、血液型はB型です。

来歴

生い立ち

露口は太平洋戦争の影響で、両親の故郷である愛媛県に疎開し、松山東高等学校を卒業。高校時代は水泳、陸上、ラグビー、そしてバスケットボールにおいても国体代表候補になる実力を持っていました。その後、愛媛大学文理学部に進学しますが、俳優になる夢を追求するため、大学を中退し、劇団俳優座演劇研究所付属の俳優養成所に入所しました。

劇団活動とデビュー

1957年にNHKのテレビドラマでデビューを果たし、その後1958年に卒業。同年に劇団新人会に入団し、俳優業を本格化させました。1959年には日活映画『逃亡者』で映画デビューを飾りますが、彼の出演した『女子大学生 私は勝負する』は上映初日で打ち切られるというトラブルも経験しました。

その後1960年には「劇団俳優小劇場」を旗揚げし、演劇に情熱を注ぎました。個性派俳優としての地位を確立し、1971年にはNHKの連続テレビ小説『繭子ひとり』で主人公の北川編集長を演じ、人気を集めました。

『太陽にほえろ!』での活躍

1972年から1986年にかけて、露口は長寿刑事ドラマ『太陽にほえろ!』で山村精一役を演じました。この役は多くの視聴者に愛され、彼の代表作となりました。13年の間に691話に登場し、数々の名エピソードを生み出しました。同作の依存度も高く、映画や他のドラマからは遠ざかる期間もあったものの、露口の存在は番組の重要な部分を担い続けました。

映画、テレビドラマでの幅広い役柄

露口は、映画界でも多くの作品に出演しており、今村昌平監督とのなかで悪役から好青年まで、幅広い役柄をこなしました。特にホワイト・ブロンズ賞にも受賞しており、演技力は高く評価されています。

テレビドラマにおいても名作を多く残し、1980年代には連続ドラマ『父母の誤算』で主演を務めるなど、俳優としての地位を確立しました。しかし、1990年代中期からは表舞台から徐々に姿を消し、2001年にいくつかのオファーを断った後、事実上の引退宣言を行いました。

声優としての側面

俳優としてのキャリアに加え、声優としての実績もある露口は、特にアニメ『耳をすませば』でバロンの声を演じたことで多くのファンを魅了しました。この役を任されたのは、宮崎駿監督からの直接の依頼でした。演技に対する真摯な姿勢は賞賛され、声優としても一定の評価を受けています。

プライベートと人物像

露口は私生活に対して非常にプライベートを重んじ、他人にはあまり私生活を話さなかったと言われています。仕事に対する姿勢はストイックであり、演技に対するこだわりが強く、普段は冗談を言ったりしながらも真剣に取り組む姿勢は、同時代の俳優たちにも影響を与えました。

露口茂は、日本の演劇界・映像界の中で確固たる地位を築き上げ、今も尚多くの後進に影響を与え続けています。彼の演技は多くの人に記憶され、その存在は俳優業の重要性を改めて感じさせるものでした。

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