けやき (フェリー)

フェリー「けやき」の概要

「けやき」は新日本海フェリーが運航を計画している新しいフェリーです。この船は舞鶴-小樽航路において、長年運航されてきた「はまなす」や「あかしあ」の代替として建造されました。具体的には、三菱重工業の下関造船所で製造され、2025年の4月29日に進水する予定です。進水式では、地元舞鶴市出身の田中彩子さんが支綱を切断し、その瞬間が大きな注目を集めることでしょう。

「けやき」という名称は、舞鶴市の市木であるケヤキに由来しています。ケヤキは強靭で、しっかりと根を下ろしつつ、高く成長する木であり、これは関西と北海道を観光と物流で結ぶフェリーの精神を象徴しています。

このフェリーの建造は、国土交通省及び経済産業省による「令和5年度 AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金」に応募し、採択された省エネ実証事業の一環でもあります。

設計と技術

「けやき」には、国内のフェリーでは初めて採用となるダックテールを有するバトックフロー船尾形状と、独特の垂直船首形状が組み込まれています。これにより、最新鋭の省エネルギー船型としての性能が実現されています。また、アンチローリングタンクとフィンスタビライザーの組み合わせによる省エネ型減揺システムが採用されており、推進抵抗の低減が図られています。これにより、従来船に比べて約5％の省エネルギーを達成することができます。

スペック面では、東京九州フェリーの「はまゆう」や「それいゆ」に似た設計がされており、全長が200m未満である点や、「スイート」ルームが新設されている部分に違いがあります。また、船首部分では新日本海フェリー初の2層吹き抜けのフォワードサロンが備わっています。

船内の施設

「けやき」の船内デザインは「京都」や「歴史」をテーマにしており、上品で優雅な雰囲気を醸し出しています。パブリックスペースには京都や丹後地域にちなんだ名称が採用されており、訪れる人々に地元の文化を感じさせる工夫がされています。

船室設備

• - 6階:

- スイートルーム（2室）
- デラックスA（16室）
- スクリーンルーム「龍宮」
- 丹後風土記に登場する浦島太郎の物語に関連するイマーシブコンテンツが上映される予定です。
- 展望大浴場・露天風呂
- スポーツルーム
- ランニングマシンとコードレスバイクが設置されています。

• - 5階:

- ステートS（洋室16室・和洋室8室）
- ツーリストS（3室）
- レストラン「しゅてん」
- 大江山に住む酒呑童子に由来しています。
- グリルレストラン「大江山」
- 小倉百人一首に登場する詩に基づいた名前です。
- ドライバーズレストラン
- オープンデッキ

• - 4階:

- ステートS（洋室14室・ウィズペット洋室5室）
- ツーリストS（5室）
- ツーリストA（2室）
- ドライバールーム（5室）
- エントランス
- 3層吹き抜け構造のエントランスやイベントステージがあります。
- 案内所、ショップ
- スモーキングルーム
- 多目的浴室、給湯室スペース
- フォワードサロン「白竜」
- 宮津の白竜の滝に由来する2層吹き抜けのサロンです。
- ドライバー浴室
- ドライバー化粧室・洗濯室

この「けやき」は、快適な旅を提供するための最新鋭の設備と環境を整えており、瑠璃のような青い海を航海する日が待ち遠しいです。

もう一度検索