けんかをやめて

「けんかをやめて」

「けんかをやめて」は、河合奈保子の10枚目のシングルで、1982年9月1日に日本コロムビアからリリースされました。この楽曲は、日本のポップスシーンにおける名曲の一つであり、その魅力はいまだに多くの人々に愛されています。

背景

この曲の作詞、作曲を手掛けたのはシンガー[[ソングライター]]の竹内まりやで、彼女は当時、山下達郎と結婚し、歌手活動を休止していました。河合奈保子のシングルに楽曲を提供することは、彼女にとって初めての経験でした。竹内はテレビで河合が「スマイル・フォー・ミー」を歌う姿を見て、その魅力に心を打たれ、いつか彼女に歌ってもらいたいと考えるようになりました。そして、「けんかをやめて」というフレーズが浮かび、その後、河合に歌ってほしいと願うようになったのです。

この楽曲のテーマは、二人のボーイフレンドを天秤にかけるというものです。このアイデアは、竹内が幼い頃に聴いていた洋楽ポップスの影響を強く受けています。特に、メアリー・マクレガーのヒット曲「Torn Between Two Lovers」が、竹内にとってのインスピレーションになったと言われています。カラフルな背景と共に、楽曲の提供依頼がコロムビアから舞い込んだこともあり、竹内は自らの楽曲を河合に提案し、シングルリリースにつながったのでした。

解説

「けんかをやめて」は、オリコンのランキングでは最高5位を記録し、14週間にわたって100位内にランクインしました。その間に21.5万枚のセールスを達成し、竹内は「奈保子ちゃんが歌うことで、少しワガママな女の子の揺れる気持ちが自然に聞こえる」と評価しました。また、河合の歌い方から伝わる少女の心情が、評価される要因となっています。

著名な作曲家である筒美京平も本作を高く評価し、楽曲の独特な魅力を認めています。面白いことに楽譜として販売される際、河合奈保子版は4/4拍子で記譜され、竹内まりや版は6/8拍子が一般的であるという違いがあります。

エピソード

竹内は後にこの曲を自身でカバーしましたが、その際に「奈保子ちゃんが歌うと非常に可愛らしいのに、私が歌うと傲慢な女性になってしまうのがわからない」とコメントしています。歌い手によって楽曲がどう受け取られるかの違いを実感し、その変化に自ら笑いを交えながら語る姿が印象的です。さらに、竹内は「私の作品の中では、『何様ソング』の代表的な存在になっていますよね」と自嘲しつつも、この楽曲を特別なものとして保ち続けています。

また、映画『すずめの戸締まり』（新海誠監督、2022年）の挿入歌にも河合のバージョンが使用されており、今もなお新たな世代に作品が届けられるようです。

収録曲

• - けんかをやめて（4分29秒）

作詞・作曲：竹内まりや／編曲：清水信之

• - 黄昏ブルー（4分26秒）

作詞：竜真知子／作曲：馬飼野康二／編曲：若草恵

この楽曲は、1983年に発表されたアルバム『あるばむ』にも収録されています。また、竹内まりやのセルフカバーもあり、1987年の『REQUEST』や2008年の『Expressions』に収録されています。

その他のカバー

他にも、ドナ・フィオーレのアルバム『fiore』（2008年）、茉奈佳奈の『ふたりうた』（2009年）、稲垣潤一の『男と女2』（2009年）など、様々なアーティストにカバーされています。

このように「けんかをやめて」は、河合奈保子の歌唱によって多くの人々の心に響き続け、今後も色あせることのない名曲となるでしょう。

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