こころの王国 菊池寛と文藝春秋の誕生

『こころの王国 菊池寛と文藝春秋の誕生』は、猪瀬直樹によって著された日本の小説であり、文藝春秋の文芸月刊誌「文學界」にて2002年4月号から2003年12月号にかけて連載されました。

概要

本作は、文藝春秋の創設者である菊池寛を中心に、彼と関わる人々との間で繰り広げられる人間模様を描いた作品です。菊池寛の生涯と、彼が創り上げた文藝春秋の黎明期を背景に、登場人物たちの情熱、葛藤、そして愛が交錯する様子が、作者独自の視点と筆致で綴られています。

単行本は2004年4月に文藝春秋から発行され（ISBN 4163658505）、文庫版は2008年1月に文春文庫から刊行されました（ISBN 9784167431150）。

あらすじ

物語は、江戸っ子気質のテキ屋を父に、芸者を母に持つ娘・葉子が、作家である菊池寛が社長を務める文藝春秋社の門を叩くところから始まります。そこで出会った朝鮮人社員・馬から、葉子は人員削減の対象になるだろうが、菊池には気に入られるだろうと告げられます。その言葉通り、菊池は小説の才能を持ち、細やかな気配りもできる葉子を気に入り、彼女を個人秘書として雇うことを決めます。菊池に可愛がられる葉子でしたが、朝鮮の貴族出身であり、祖国再建の夢を抱く馬に次第に惹かれていく自分に気づくのでした。

映画化

本作は、『丘を越えて』というタイトルで2008年5月17日に映画化されました。監督は高橋伴明、脚本は今野勉が担当し、菊池寛を西田敏行、細川葉子を池脇千鶴、馬海松を西島秀俊が演じました。映画の主題歌は、つじあやのの『丘を越えて』です。

映画『丘を越えて』は、激動の時代を背景に、それぞれの夢と愛を追い求める人々の姿を感動的に描いています。原作小説のファンはもちろん、初めて触れる観客にも、深く心に響く作品として評価されています。

キャスト

菊池寛：西田敏行
細川葉子：池脇千鶴
馬海松：西島秀俊
細川はつ：余貴美子（葉子の母）
佐々木茂索：嶋田久作
長谷川伸策：猪野学
堀口カツ：石井苗子
細川徳蔵：峰岸徹（葉子の父）

スタッフ

監督：高橋伴明
プロデューサー：日下部孝一
企画：内田ゆき
脚本：今野勉
撮影：小松原茂
美術：山本修身
* 編集：河原弘志

もう一度検索