こちら第三社会部

『こちら第三社会部』

概要

『こちら第三社会部』は、2001年10月から12月にかけて放送されたTBS系のテレビドラマで、主演に渡辺謙を迎えています。この作品は、1969年の「S・Hは恋のイニシァル」以来、32年ぶりの現代が舞台の社会派ドラマとして注目を浴びました。愛称は『こち三』で、原作には大谷昭宏による『こちら社会部』が用いられていますが、オリジナルのエピソードやキャラクターが多く組み込まれており、原作からの影響はあくまで概要にとどまっています。ドラマは、朝日新聞東京本社の制作協力のもと、実際の社名や経営面の描写に則って展開しています。

あらすじ

物語の舞台は、日本中央新聞の東京本社の社会部。ここには「第一」と「第三」の2つの部署が存在します。を含む、落ちこぼれとして知られる第三社会部では、単なる時事ネタを扱い、あまり注目されることがありませんでした。しかし、清水治郎という新しいデスクが着任したことで、記者たちの意識が一新されていく様子が描かれます。彼は、ただのぐうたら部署と見做されていた第三社会部に活気を与え、記者たちに奮起を促します。

清水の指導のもと、第三社会部は事件やトラブルの取材を重ね、他社が見逃すような案件を丁寧に掘り下げるようになります。時間と労力をかけた取材を通じて、彼らは社会問題について読者に課題を投げかけていき、徐々にその記事は注目を集めるようになります。自らが見つけた独自の視点で問題を扱うことで、第三社会部の存在感は次第に増していきます。

キャスト

このドラマの魅力の一つは、個性的なキャラクターの数々です。清水治郎（渡辺謙）は部を引っ張るリーダーとして記者たちを牽引します。工藤瞬兵（萩原聖人）は頑固で独自のスタンスを崩さない若手記者として描かれ、山口林檎（酒井美紀）は新人ながらも治郎の信頼を受ける成長株です。部内では秋田大（石塚英彦）と大田原雄作（坂口憲二）が奮闘し、韮崎美佐枝（戸田恵子）は情報収集のエキスパートとして注目されます。

また、第一社会部の有能なデスクである岩崎庸介（京本政樹）との対比や、社主毛利晋一郎（森繁久彌）の存在も物語を深くしています。彼は第三社会部を立て直すために清水を呼び戻し、その姿はドラマの重要な要素となっています。

スタッフ

本作の脚本は今井詔二、吉田弥生ほかが手がけ、演出は中村金太などが担当し、ドラマの質を高めています。主題歌は大黒摩季の「雪が降るまえに」であり、エンディングでは主人公が「がんばろう。」と叫び、最後を締めくくります。

結論

『こちら第三社会部』は、単なる記者たちの仕事を描くだけでなく、社会の複雑さや個々の成長を描写することで、多くの視聴者に感銘を与えました。ドラマ放送後も多くの人に支持され、2013年には再放送が行われるなど、今なお記憶に残る作品となっています。

もう一度検索