こどもの夢の国!楽しいディズニーランド

こどもの夢の国！楽しいディズニーランド

1957年に開催された「こどもの夢の国！楽しいディズニーランド」は、5月5日の世界こどもの日を記念して、日本橋三越本店の屋上で開かれた特別なイベントです。この期間限定の遊園地は、アメリカのディズニーランドを模した形で、子供たちに夢と楽しさを提供することを目的としていました。

開催背景

ディズニーランドは、1955年にアメリカのカリフォルニア州アナハイムで初めて開園しましたが、開園当初は運営に多くの課題がありました。日本では、三越は既に屋上庭園を持っており、戦後の期間限定の遊戯施設の設置にも成功していました。このような経緯から、三越は屋上で遊園地を開園することを決定しました。

「楽しいディズニーランド」という名称がどのように決定されたかの詳細は不明ですが、当時三越と関係があった大映株式会社が協賛に名を連ねたことで実現しました。開園にあたっては、アメリカのウォルト・ディズニー・カンパニーと正式な契約が結ばれ、1957年4月30日に開場式が行われました。この式典には多くの著名人が出席し、その注目度は高かったことが伺えます。

アトラクションの内容

アトラクションは多岐にわたり、ディズニーランドの模型の展示や夢の国、未来の国、冒険の国、西部の国の模型も備えていました。「ディズニー機関車」や「魔法の鏡」、さらには動く漫画の展示もあり、子供たちの興味を引きました。メリーカップという乗り物は特に人気で、子供の日には235回も運転されたという記録があります。

また、イヴェント期間中は様々な特別な企画も実施され、5月12日には協賛企業の俳優との撮影会、5月19日にはプロカメラマンによる無料撮影サービスなども行われました。これらは訪れた家族や子供たちに、特別な思い出を与えたことでしょう。

催事の後

このイベントは当時の日本におけるディズニーの魅力を広める一助となりました。この企画に触発されて以降、他の企業もディズニーとの連携を試み、千土地興業は1961年に奈良にドリームランドを開園しましたが、ディズニーとの正式契約を結んでいなかったため、後に関係が悪化する原因となりました。

結果として、「楽しいディズニーランド」が持つ影響は大きく、日本国内でのディズニーの存在感を高めるきっかけとなりました。1983年には、東京ディズニーランドが開園され、以来、多くの人々に愛され続けるテーマパークとして現在に至っています。

結論

「こどもの夢の国！楽しいディズニーランド」は、子供だけでなく家族全体にとって特別な経験となるイベントでした。この期間限定の遊園地はわずか1ヶ月の間であったにもかかわらず、強い印象を残し、日本におけるディズニーの重要性を再確認させる出来事となりました。ディズニーの魔法が日本に根付くきっかけとして、このイベントの意義は大きいと言えるでしょう。

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