こばやし (企業)

株式会社こばやしは、宮城県仙台市に本社を構え、弁当の製造販売と料理仕出しを主な事業とする企業です。特に、数多くの業者がひしめく「駅弁激戦区」として知られる仙台駅において、主要な駅弁調製業者の一つとしてその名を知られています。また、社団法人日本鉄道構内中央会にも加盟しており、その活動は業界内でも重要な位置を占めています。

仙台駅では、2階中央改札口のすぐ隣で、立ち食いそば処「杜」を運営しており、駅利用者にとって手軽に食事を楽しめる場所として親しまれています。

歴史

株式会社こばやしの歴史は、1920年11月10日にまで遡ります。創業当初は、茨城県水戸市に本店を構える和菓子店「井熊総本家」の仙台支店としてスタートし、弁当の製造と駅構内での販売を開始しました。しかし、第二次世界大戦中には一時的に営業を中断せざるを得ない状況となりました。戦後、1946年に営業を再開し、1949年には合資会社へと組織変更を行いました。その後、1963年4月1日に株式会社へと改組し、現在の体制を確立しました。

1975年には、作曲家の小林亜星氏をイメージキャラクターに起用し、ユニークな広告展開を開始しました。1977年には駅構内に立ち食いそば店を開店し、駅弁と並ぶ事業の柱を確立しました。

1986年には人気駅弁「独眼竜政宗辧當」を発売し、1990年には「あったか〜い仙台名物炭焼き牛たん弁当」、1992年には「ひとめぼれ幕の内弁当」を発売するなど、時代に合わせた新商品の開発にも積極的に取り組んでいます。

主な商品

駅弁
網焼き 牛たん弁当
東北まるごと弁当
独眼竜政宗辨當
伊達武将隊弁当
特選 炭火焼牛たん弁当
みやぎ黄金海道
むすび丸おむすび弁当
仙台だより

など、バラエティ豊かな駅弁を販売しています。

駅弁以外の主な商品

各種弁当
パーティ料理
お祝い料理
会席膳
* 法要料理

など、幅広いニーズに対応した料理を提供しています。

広告宣伝

1975年からは、作曲家の小林亜星氏をイメージキャラクターとして起用し、「それでは皆さんご一緒に 集まったらこばやしのお弁当」というフレーズで知られるCMソングが話題を呼びました。このCMソングは、伊藤アキラ氏が作詞し、小林亜星氏が作曲を担当したもので、ポップなメロディーが多くの人々に親しまれました。小林亜星氏を起用した背景には、当時、ドラマ「寺内貫太郎一家」での活躍が注目されており、そのふくよかな体格と恰幅の良さが、弁当を「たくさん食べる」というイメージと合致するという考えがありました。また、社名と同姓であることも、親近感を抱かせる要因となりました。小林亜星氏は法被姿でロゴマークにも描かれ、2021年に逝去された後も、商品や社屋、配送車、名刺などにそのイラストが使われ続け、同社との深い関係性を示しています。

株式会社こばやしは、長年の歴史の中で、駅弁や仕出し料理を通じて、地域の人々に愛され続けています。常に新しい商品開発にも力を入れており、今後の展開が期待される企業です。

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