こんな学園みたことない!

こんな学園みたことない！：正義の拳法教師が活躍する80年代学園ドラマ

1987年10月から1988年3月にかけて、日本テレビ系列（一部地域を除く）で放送された『こんな学園みたことない！』は、全24話からなる学園アクションドラマです。IVSテレビ制作と読売テレビが共同制作し、セシールの一社提供で放送されました。毎週日曜日のゴールデンタイムに放送され、多くの視聴者から注目を集めました。

ストーリー：正義の教師、ワルキューレさやか

主人公は、高松の山奥で拳法の修行を積んだ一条寺さやか。亡き母のように立派な教師になることを夢見て、東京の私立中学・鴻南学園に赴任します。しかし、彼女を待ち受けていたのは、学園の土地を狙う悪徳不動産業者・烏山興業の嫌がらせと、問題児ばかりの2年A組の生徒たちでした。

さやかは、持ち前の明るさと強さで生徒たちと向き合います。そして、学園や生徒たちがピンチに陥ると、黒いレザースーツに身を包み、ヌンチャクを手にした「ワルキューレさやか」として、悪を成敗するのです。

物語は大きく二部構成になっています。前半は烏山興業との対決、後半は百合子学園長への復讐を企む瀬下克代とその配下との戦いが描かれています。さやかは、教師としての使命感と、正義感をもって、様々な困難に立ち向かっていきます。

登場人物：個性豊かな教師と生徒たち

鴻南学園には、個性豊かな教師たちが集まっています。数学教師の鳩山光夫は、かつての失敗から生徒に手を上げることをためらうようになりましたが、さやかの純粋さに惹かれていきます。音楽教師の雨宮ひみこは、音楽の才能はないものの、さやかと共に学園を盛り上げるために奮闘します。一方、教頭である山形恒夫は、烏山興業と癒着し、学園乗っ取りを企む悪役として描かれています。

2年A組の生徒たちも、それぞれに複雑な事情を抱えています。一見優等生風の水木一郎は、実はクラスを牛耳る黒幕。いじめられっ子の寺山雄二や、ツッパリグループのメンバーなど、様々なタイプの生徒たちが登場し、物語に彩りを添えています。

80年代らしい演出：小倉智昭のナレーションとセシールの衣装

番組では、小倉智昭がナレーターを務め、軽妙な語り口で物語を進行させます。また、奥田圭子演じるさやかが劇中で着用する衣装は、スポンサーであるセシールが提供したもので、収録後に視聴者プレゼントとして提供されていました。これらの演出は、当時の視聴者にとって新鮮で魅力的なものだったのではないでしょうか。

未ソフト化の隠れた名作

残念ながら、『こんな学園みたことない！』は、現在では衛星波での再放送や映像ソフト化はされていません。そのため、当時の作品を知る機会は限られています。しかし、その独特の世界観と、奥田圭子の熱演は、多くの視聴者の記憶に残る名作と言えるでしょう。もし、機会があれば、この作品に触れてみてください。きっと、忘れられない感動を味わえるはずです。

スタッフ・キャスト

主演：奥田圭子（一条寺さやか役）
その他出演：古尾谷雅人、柳沢慎吾、塩沢とき、船越栄一郎、竹中直人、沼田爆、梅津栄、伊東四朗、三ツ矢歌子、松下一矢、家富洋二、山口祥行、萩原聖人、他
音楽：城之内ミサ
主題歌：「Single Woman」（歌：奥田圭子）
* 挿入歌：「青い蜜蜂」（歌：奥田圭子）

このドラマは、80年代の青春群像劇とアクションが融合した、独特の魅力を持つ作品です。未だ映像ソフト化されていないため、当時の視聴者や、この時代を知る方にとって、懐かしく、そして貴重な作品と言えるでしょう。

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