ごろつき (映画)

映画『ごろつき』の詳細解説

『ごろつき』は、1968年10月12日に東映が公開した任侠映画です。監督はマキノ雅弘、主演は高倉健が務め、菅原文太も重要な役どころで出演しています。この作品は、当時の東映任侠映画の流れを汲みつつも、キックボクシングという新たな要素を取り入れたことで、異彩を放っています。

あらすじ

物語は、主人公の大場勇（高倉健）と友人の山川一郎（菅原文太）が、炭鉱閉山により職を失い、東京へ出稼ぎに行くところから始まります。職探しに苦労する中、一郎は富豪の犬の世話係として雇われますが、犬の食事があまりにも豪華なことに腹を立てた勇が騒動を起こし、一郎は解雇されてしまいます。生活のため、二人は流しの楽団に入り、そこで勇は喧嘩の腕を買われ、キックボクシングの世界に足を踏み入れようとします。

入会金が払えないため、勇はジムの雑用係として働くことになりますが、所属選手たちの協力を得て秘密のトレーニングを続けます。その結果、練習試合でチャンピオンを打ち負かすほどの力を身につけ、ジム会長の沢田（大木実）は勇をプロデビューさせることを決めます。一方、流しの仕事で関わった的屋の浅川（石山健二郎）は、兄弟分だった唐沢（渡辺文雄）に土地を狙われ、トラブルに巻き込まれていました。勇のデビュー戦の日、唐沢の車が新聞配達の少年をひき逃げし、さらに浅川の事務所に放火するという事件が発生します。浅川は復讐を試みますが、逆に倒されてしまいます。友と浅川の死を知った勇は、唐沢への復讐を決意し、チャンピオンの座を賭けた試合を放棄して唐沢組に乗り込み、激しい戦いの末に唐沢らを皆殺しにします。

特徴的な要素

この映画の大きな特徴は、当時のキックボクシングブームを背景に、沢村忠をはじめとする現役のプロボクサーが実名で出演している点です。これにより、作品にリアリティと迫力が加えられています。また、劇中では、高倉健がギターを弾く菅原文太に合わせて『網走番外地』や『唐獅子牡丹』などの自身のヒット曲を歌うシーンがあり、ファンにとっては見逃せない場面となっています。

出演者

大場勇：高倉健
沢田友子（沢田の妹）：吉村実子
山川一郎：菅原文太
房代（勇の母親）：三益愛子
唐沢重吉：渡辺文雄
村井（沢田ジムトレーナー）：曽根晴美
上等兵（浅川一家の事務員）：田中春男
浅川正義：石山健二郎
須山（唐沢組の顧問弁護士）：金子信雄
沢田健三（沢田ジム会長）：大木実
沢村忠（東洋ミドル級チャンピオン）：本人
西川純（東洋ライト級チャンピオン）：本人
斎藤天心（全日本ヘビー級第一位）：本人
藤本勲（全日本ヘビー級チャンピオン）：本人

スタッフ

監督：マキノ雅弘
企画：俊藤浩滋、矢部恒
脚本：石松愛弘
撮影：飯村雅彦
録音：広上益弘
照明：大野忠三郎
美術：中村修一郎
編集：田中修
助監督：伊藤俊也
殺陣：日尾孝司
進行主任：伊藤源郎
装置：加藤勇次
装飾：佐藤善昭
記録：山之内康代
現像：東映化学工業株式会社
音楽：渡辺岳夫
主題歌：高倉健「望郷子守唄」
協力：野口プロモーション

外部リンク

ごろつき - 日本[[映画]]データベース
ごろつき(1968) - KINENOTE
ごろつき(1968) - 映画.com
ごろつき(1968) - allcinema

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