さいたま市保健所

さいたま市保健所

さいたま市保健所は、地域保健法に基づき、政令指定都市である埼玉県さいたま市が設置する中核的な保健機関です。市民の健康増進、疾病予防、環境衛生など、地域における健康課題に対応する役割を担っています。国の指定する「一号市」として、広範な保健業務を自ら実施しています。

沿革

さいたま市保健所の設立は、浦和市、与野市、大宮市の合併と政令指定都市への移行という歴史的な経緯を経て実現しました。かつて浦和市には埼玉県の中央保健所（旧浦和保健所）、大宮市には大宮保健所がそれぞれ存在しました。2001年に3市が合併してさいたま市が発足し、2003年の政令指定都市への移行が決定されると、市は独自に保健所を設置できる「保健所政令市」に指定されました。

これを受けて、さいたま市は2002年4月に中央保健所と大宮保健所を廃止し、旧大宮保健所が入居していた埼玉県大宮合同庁舎内に、さいたま市保健所を開設しました。政令指定都市へ移行した2003年4月には、市内が9区となり、各区に地域に密着した保健センターを設置。保健センターの職員は保健所職員の身分も併せ持つ体制となりました。2005年4月には岩槻市を編入し、1保健所10保健センター体制に拡大しました。2006年4月には桜区に動物愛護ふれあいセンターが開設され、動物愛護関連の業務はそちらへ移管されています。

市民サービスの向上と業務効率化を目指し、新たな施設の建設が進められ、2007年4月に現在の中央区鈴谷にある新施設へ移転しました。この新施設には、さいたま市健康科学研究センターが併設されています。また、近隣には障害者総合支援センターや鈴谷公民館も同時にオープンしています。

現在の施設およびその周辺一帯は、かつて1939年（昭和14年）からトラック組立工場であった金剛製作所の跡地です。その西側部分には1988年（昭和63年）に大規模なマンション群が建設され、その後、東側の空き地部分に保健所などの公共施設が整備されました。

施設・組織・業務

さいたま市保健所は、中央区鈴谷7-5-12に位置する施設内にあります。1階から2階に保健所の主要部門が配置されています。組織は、保健総務課、地域保健支援課、疾病予防対策課、新型コロナウイルスワクチン対策室、精神保健課、食品衛生課、環境薬事課といった専門的な課で構成されており、多様な地域保健活動を推進しています。

同じ建物内の3階から4階には、さいたま市健康科学研究センターが併設されています。健康科学研究センターは、市民の健康と安全に関わる科学的な調査・分析を行う機関です。主な業務として、細菌やウイルスなどの病原体検査、食品等の衛生検査、大気や水質などの環境調査分析を実施しています。

交通アクセス

JR埼京線の与野本町駅または南与野駅から、徒歩およそ15分でアクセスできます。

さいたま市保健所は、政令指定都市として市民の健康と地域の安全を守るため、幅広い専門業務を遂行し、さいたま市の地域保健の中核を担っています。健康科学研究センターとの連携により、科学的な視点からの課題解決にも取り組んでいます。

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