与野市

与野市の概略

与野市（よのし）は、1958年から2001年4月まで埼玉県南部に存在した市で、現在のさいたま市中央区に位置していました。この市は、2001年5月1日に浦和市と大宮市との合併により消滅し、さいたま市が誕生しました。その後、2003年にさいたま市が政令指定都市に移行した際、旧与野市の地域は中央区の主要区域となりました。

地理的特徴

旧与野市の市域は埼玉県の南東部に位置し、現在の中央区とほぼ一致しています。ただし、さいたま市の政令指定都市への移行の際に、一部の地域が中央区に組み込まれたため、旧与野市の面積は現在の中央区よりわずかに小さくなりました。具体的には旧与野市の面積は8.29平方キロメートルであり、現中央区は8.39平方キロメートルです。

人口の推移

2001年4月1日の時点で与野市の人口は83,620人でした。中央区に編入された後も人口は増加し、2005年には9万人を超え、2018年には10万人を超える結果となりました。

歴史的経緯

与野の地名は、1314年の「融通念仏縁起絵巻」に登場し、その歴史は古くからの商業地域として続いていました。江戸時代には、交通の要所として市場の中心地として栄え、さまざまな商業活動が行われていました。また、与野宿はかつて周辺の大宮宿や浦和宿よりも家数が多く、重要な役割を果たしていました。

浦和・大宮との関係

与野宿は近世において、浦和や大宮と競り合う繁栄を見せていた時期もありました。しかし、その後、浦和が県庁所在地としての機能を持つ文教都市としての地位を築く一方で、与野は独自の自治体としての存在を保ちながらも徐々に周囲の二市に比べて劣っていきました。そのため浦和や大宮の名前を使った機関も多く存在しました。

沿革

与野市の歴史を辿ると、幾つかの重要な出来事が浮かび上がります。鎌倉時代から記録される地名を持ち、近世には市が設けられるなどして市としての体裁を整えました。1958年7月15日に市制が施行され、与野市として誕生しますが、2001年にさいたま市に編入される運命にありました。数多くの合併や新たな交通機関の開通を経て、与野はその後も近代化を遂げていきました。

主な企業と学校

旧与野市には、安楽亭や埼玉スバルなど多くの企業が存在し、地域経済を支えていました。また、農民講道館農業短期大学なども設置され、地域の教育機関として機能していました。

友好提携

与野市は新潟県南魚沼郡六日町と友好都市提携を結んでおり、1988年から友好関係を築いてきました。これにより地域間の交流や文化の発展が促進されました。

与野市はその独自の歴史と発展を経て、現在のさいたま市につながる重要な地域であったことを理解することができます。この町の過去に触れることは、今日のさいたま市を理解する上でも大切な要素となるでしょう。

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