さかさまショー

『さかさまショー』は、1970年11月17日から1971年4月27日まで、日本テレビ系列で毎週火曜19時30分から20時00分に放送されていた、読売テレビ制作のユニークな仮装バラエティ番組です。

この番組最大の特徴は、視聴者参加型の公開番組であるという点です。毎回7組の一般参加者が出場し、その名の通り「さかさま」をテーマに、男性は女装、女性は男装という、普段とは異なる性別の姿で、それぞれがユニークな隠し芸や歌を披露し、観客を魅了しました。

優勝者には豪華な香港ペア旅行が贈呈されるということもあり、参加者たちはそのパフォーマンスに一層力を入れていたことでしょう。番組の司会は、当時人気絶頂だった桂三枝（後の六代目桂文枝）が務め、その巧みな話術で番組を盛り上げました。

特筆すべきは、番組開始を記念して行われた「前夜祭」です。この初回放送には、大阪で有名な男装の麗人クラブ「女装会」のメンバーが登場。さらに、当時人気絶頂の漫才コンビ、横山やすし・西川きよし（やすきよ）も出演し、じゅん&ネネの扮装で歌を披露するという豪華な内容でした。

番組のエンディングテーマには、南こうせつとかぐや姫の『酔いどれかぐや姫』が使用され、番組の雰囲気をより一層盛り上げました。

『さかさまショー』は、斬新な企画と一般参加者の個性あふれるパフォーマンスが組み合わさった、当時のテレビバラエティ番組の中でも非常に異彩を放つ存在でした。視聴者参加型の番組でありながら、一般参加者の意外な才能やユーモアが引き出され、性別を逆転させるというアイデアが、単なるお遊びに留まらず、新たなエンターテイメントの形を創出した点も評価されるべきでしょう。

また、著名なタレントの参加や、エンディングテーマにも当時人気があったアーティストの楽曲を採用するなど、番組制作における細部へのこだわりが、番組の人気を支えた大きな要因と言えるでしょう。

番組終了後も、そのユニークなコンセプトと、参加者の熱演は視聴者の記憶に残り、語り継がれる存在となりました。『さかさまショー』は、日本のテレビバラエティ史において、一風変わった魅力を持った番組として、その名を刻んでいます。

参考文献として、読売新聞縮刷版が挙げられます。

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